2011/12/24

『灼熱の魂』&マナー


解説無用、ネタバレ厳禁。とにかく凄まじい映画。数奇な運命を辿った痛切な人生、その魂の底から振り絞るような強さと優しさに触れたせいなのか、いま思い出してもトリ肌が立ってくる。(私にとっては、今年一番の衝撃作!)

キーワードは「母性」。絶望的な宗教対立、その怒りと憎しみの連鎖を断ち切るために母が双子の姉弟に託した2通の遺書……これ以上は語るべからず。どうぞ劇場で!

ドスンと重く胸に響く映画を観終えた後、寒空の下で何を思うかは人それぞれ。

私は何故か「男性の本質はマザーシップだよ。優しさだよ。」と、自分を訪ねてきた若き学生・吉本隆明に「太宰治」が語った言葉を、ふと思い出してしまった。


で“&マナー”の件。最近、映画を観に行くたびに気になっているのが観客のマナー低下(特に中高年)。昼1時の上映開始にも関らず、菓子をポリポリ食べていた左隣のオバサンは早々にイビキをかいて寝ちゃうし(注意しようと思った矢先に起きて、やれやれと思ったらまた寝るから始末が悪い)、右の若者も舟を漕ぎっぱなし(なんで、この映画で寝ちゃうかなあ……)。後ろの中年カップルは映画のクライマックスで急にモゴモゴ喋りだすし、携帯を耳にあてながら慌てて出て行くオジサンもいた。
シニア割引も夫婦50割引も映画ファンの裾野が広がるので大歓迎だが、中高年の皆さんには映画を観る前に、十分に睡眠と食事をとっていただきたいものです。もちろん会話もお菓子も控え目、携帯の電源はOFFで!
(とは言え、私も若かりし頃ヴィスコンティの『ベニスに死す』を3回見にいって3回とも寝てしまったという切ない過去を持つ中年男。最近でもソダーバーグ作品で突然の睡魔に襲われており“人のふり見て我がふり直せ”ですが……)




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