2024/04/03

2ヶ月分のメモ②(3月中のあれこれ)


31日(金)

ほぼ1日かけて練った「新潟・佐渡23日(526日~28日)の6人旅」プランを、Y君、O君にメール送信。(それぞれから「詳細なプラン作成ありがとう」の返信あり)

※旅の初日、共通の友人で新潟在住のN君と「古町」あたりで会食予定。

34日(月)

証明写真機の仕事。年明けから、売価変更や新千円札対応に伴う作業が増え、けっこう手間(その分、多少の割増手当は付くが)……で、利用料金がいくらになったかと言うとジャスト1000円(レギュラー)。私がこの仕事を始めた時は700円だったので、ここ45年で約30%上がったことになる。仕事的に釣銭切れの心配が減ったのはいいが、「何でも値上げ」のご時世とはいえ、正直「上げすぎじゃないの?」と思う。(なのに、「コロナ禍」の際の売上減少を理由に下げられたギャラ=委託料は、未だ回復せず)

315日(金)

午前中は仕事。その足で久しぶりに新宿へ。武蔵野館で韓国映画『梟―フクロウ―』(監督:アン・テジン/2022年製作)を観てきた。

李氏朝鮮時代の記録物「仁祖(インジョ)実録」に記された“王子の怪死事件”にまつわる謎を題材にしたサスペンススリラー。主人公は「暗闇では幾分見える」盲目の天才鍼医ギョンス(演じるのは、韓ドラ「応答せよ1988」での好演が記憶に残る人気俳優リュ・ジュンヨル)……病の弟を救うため、高収入を得られる宮廷で働くことを望み、運よく選抜され、願いが叶ったギョンスだったが、ある夜、王の子である世子(せじゃ)の暗殺を間近で目撃してしまい、おぞましい真実に直面する事態に。その「真実の吐露」により追われる身となった彼の運命や如何に?…という話。

基本「韓国の時代劇にハズレなし」を、ネットフリックスを通じて実感しているので、もとより期待度は高かったが、噂に違わぬ秀作。世代を超えて楽しめる良質な娯楽サスペンスだった。

321日(木)

MLB韓国シリーズ、ドジャースVSパドレスの第1戦終了後、大谷翔平の通訳であり盟友とも思えた水原一平氏の「ドジャースを解雇」という“寝耳に水”のニュースにビックリ。理由は《違法なブックメーカーで賭けるため「大規模窃盗」に手を染めた》ためとのこと……彼個人がやったことで大谷選手に責任はないだろうが、結婚もした矢先に身近で起きた忌まわしい出来事。ふと「好事魔多し」という言葉が頭に浮かんだ。

※後日、事実上“大谷選手を裏切った”形になった一平氏が「ギャンブル依存症」だったことが判明。以後、連日のようにメディアは一平氏の行為を非難しつつ、この問題を取り上げていたが、私自身は「病気の人がやったことを声高に非難したり、勝手に推測してもなあ」という暗鬱な気分になり、「事件」への興味を急速に失った。(それより、大谷選手のバッティングの調子がイマイチなのが気になる)

3月某日

ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーエンズ著、友廣純訳/早川書房)読了。

《ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は真っ先に“湿地の少女”カイアに疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられ、生き延びてきたカイア。村の人々に蔑まれながらも、生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へ想いを馳せ暮らしていた彼女は果たして犯人なのか? みずみずしい自然に抱かれた少女が不審死事件と交差するとき、物語は予想だにしない結末へ》と、カバー裏に書かれているように、一篇の詩によって導かれる“鳥肌モノの結末”が待っているミステリーの傑作だが、幼くして家族に見捨てられた少女の成長譚としても十分に読み応えのある作品。差別と偏見の眼を逃れながら過酷な境遇を生き抜き、持ち前の好奇心と瑞々しい感性&深い観察眼を基に蓄えた知識を「著書」として世に送り出すまでに至る一人の女性の存在そのものにも圧倒された。

328日(木)

昨年12月に亡くなった歌手・八代亜紀の「お別れ会」のニュースあり。私もその人柄も含めて大好きな歌手だったが、彼女の数ある名曲の中で、最も好きなのが「雨の慕情

https://www.youtube.com/watch?v=FZMWYN8pzG0

そういえば、敬愛する故・寺山修司も確かこの歌が好きだったはず。(もう40年以上経つだろうか)ふと読んだスポーツ紙の競馬コラムの中で「雨々ふれふれ もっとふれ 私のいい人(いい馬)つれて来い」とこの歌を引き合いに彼らしい“勝ち馬予想”をしていたことを思い出した。改めて合掌。

330日(土)

墓参り。母が眠る場所に向かう途中、今年最初の桜を目にした。



2024/03/29

2ヶ月分のメモ①(2月中のあれこれ)


28日(木)

午後1時~ 旧知の俳人2人(T君&K君)と新橋で飲み会(場所はニュー新橋ビル地下1階の居酒屋「ふみ」)。70過ぎの男3人、会えば気になる互いの「健康」……というわけで、最近の体調から話がスタート(当然、私の「ジロー話」も)。白内障の手術を行ったT君は「術後、目が見えすぎて眩しい」らしく、以来メガネをかけずに過ごしているとのこと。(50年以上付き合っているが、メガネの無い彼の顔を見るのは初めてかも?若干違和感あり)

その後は、イスラエル(のジェノサイド)、能登半島地震、岸田政権及び立憲の体たらく等々、政治関連の話題から文学(読み終えた2冊、『ラウリ・クースクを探して』をT君に、『日没』をK君に、その場でプレゼント)、映画(『福田村事件』『ナワリヌイ』など)、韓ドラ(沼落ち必至の名作『ムービング』!)まで、5時間近く楽しく語り合った。 


212日(祝)

河崎秋子の直木賞受賞作『ともぐい』読了。

本の帯に「新たな熊文学の誕生!!」(「熊文学」などというジャンルあるの?という疑問はさて置き)と書かれていたので、熊と人間の死闘を描いた所謂“マタギ小説”か?と思いきや、予想だにしない結末に「うわっ…“死闘の連続”ってこういうことだったか!」と、心を射抜かれる秀作。作家・東山彰良氏曰く「今日的な幸福というちっぽけなヒューマニズムでは測れないむきだしの物語だ」……私的に、ここ1年の間で読んだ小説の中では、重度障害当事者でもある作家・市川沙央の芥川賞受賞作『ハンチバック』に次ぐ面白さ&衝撃度だった。


216日(金)

シネ・リーブル池袋にて、脱北を試みる家族の“死と隣り合わせの旅”に密着したドキュメンタリー映画『ビヨンド・ユートピア 脱北』(監督:マドレーヌ・ギャビン/2023年製作、アメリカ)鑑賞。

作品の中心となるのは、脱北者家族(幼児2人と老婆を含む5人)とそれを支援する韓国人のキム・ソンウン牧師、そして北朝鮮に息子を残したまま、一人、韓国で暮らす脱北女性(もちろん、その背景として南北分断の歴史、欧米と日本の戦争責任にも触れつつ、公開処刑・飢餓など“軍事ファースト”北朝鮮の現地映像も流れる)……その5人の家族の緊迫感漂う苛酷な脱出劇と脱出を図れず北朝鮮で拷問に合う息子に思いを寄せる母の姿に、否応なく感情移入させられつつ、スクリーンに釘付けとなる115分間。改めて、この世界はどうしてこうも悲しく、残酷なのだろう、と思う。

219日(月)

JR神田駅近くの居酒屋「神田っ子」で新年会あり。(メンバーは、広告業のJINさん、デザイナーのフェアリー&私の3人)

1年半ぶりの3人会だが、いつ会っても言葉は同じ。「美味しかった!」「楽しかった!」「また会おうね!」…変わらず会える良き仲間がいる幸せ。みんな、元気で!


 221日(水)

確定申告のため「東村山青色申告会」へ。例年通り、20分ぐらいで終わるだろうな…と思っていたが、担当の税理士さんが“新人”のようで、中々捗らず1時間もかかってしまった。(ようやくまとめた提出書類にチェックを受けるべく「これでいいでしょうか」と尋ねた先輩に「もっと、整理してから持ってきて」と冷たくあしらわれ、さらに焦って震える彼の手……「落ち着こうよ」と声をかけようと思ったが、余計に焦るかもしれないので、やめた)

 224日(土)

孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』(菅野久美子著/双葉文庫)読了。

《ひとりで死に、長期間誰にも発見されることのない、孤独死。今後日本で100万人規模での発生が予想されている。孤独死が起こった現場はどうなるのか、残された遺族は何を感じるのか、故人が抱えていたものとは……。著者が実際に特殊清掃に同行したルポとともに、現代を生きる私たちが孤独死を防ぐためにどうすればいいかを探る》(カバー裏より)

という、まさに「他人事じゃない」現在的問題へアプローチした渾身の一冊。

孤独死の予兆である「セルフネグレクト」「生活不活発病」等は世代に関わらず起こること。高齢者のみならず誰もが孤独死に陥る可能性を秘めていることが、この本を読むとよく分かる。