駐輪場で働いていると、顔見知りの警備員さんや駐輪場付近で働くシルバー人材センターの方々と言葉(愚痴?)を交わすことも度々。
その際、よく話題になるのは、「困った(溜まった?)人たち」……
「地下の駐車場に誘導する際、車の窓から唾を吐きかけられたことがある」と憤る警備員さんもいれば、自分の息子より若い男に「税金ドロボー」と罵られて心傷つくシルバーさんもいる。
そんな彼らがこぞっていうのは「(トラブルが失職に直結する)弱い立場の人間に、自分のストレスをぶつけているとしか思えない(人が多い)」ということ。殊更へりくだった態度で接しないと、「タメ口きくな」「態度が悪い」とキレる人もいる。(タメ口の意味を知っているのだろうか?)
で、「イヤになるけど、気にしているともたないからね~」「まあ、お互い、頑張りましょう」みたいな話に落ち着くのだが……
さて先日(21日)、東京都民の血税を使った贅沢三昧や政治資金流用疑惑が次々と判明し、マスコミ及び都民・国民から徹底批判を浴び続けた舛添要一氏が、東京都知事の職を退いた。
その辞職については多くの都民同様、私も当然のことだと思っているが、安倍政権の顔色だけを窺っているようなメディアが、都民・国民を巻き込んで展開した「正義の舛添叩き」には、「どこもかしこもヘタレのくせに、よく言うもんだ」と心底、うんざり。
権力からお墨付きをもらった叩きやすい相手だけを、執拗に攻撃するメディア的「ストレス発散」と、舛添氏のツイッターに寄せらせた“からかい”や罵詈雑言の嵐は、この国の異常さと不寛容さを示しているようで、とても気持ちが悪かった。
(舛添氏は、第一次安倍政権で自民党が参院選で惨敗した際の「安倍降ろし」の急先鋒。都知事になってからも安倍の側近の下村博文・前文科相を批判したり、憲法問題でも「復古的な自民党改憲草案は受け入れられない」と発言したり……安倍にとっては目障りな存在。
メディアの躊躇なき「フクロ叩き」は、「官邸の反舛添の空気が安倍応援団のマスコミに伝わっているから」という某政治評論家の話も、あながちただの憶測とも思えない)
メディアの躊躇なき「フクロ叩き」は、「官邸の反舛添の空気が安倍応援団のマスコミに伝わっているから」という某政治評論家の話も、あながちただの憶測とも思えない)
そもそも、東京都知事の豪遊、税金を使っての贅沢三昧は、石原慎太郎の時代に始まり顕在化していたこと。
その「前例」を改めることなく何の抵抗もなく引き継いでしまった小物政治家・舛添要一が、「辞めろ」「説明責任を果たせ」と集中砲火を浴びて火だるまになったのは仕方ないにしても、彼の辞職後、なぜ「フクロ叩き」の矛先が、贅沢三昧のルーツである前知事・石原慎太郎に向かわないのだろう?
現政権に「公平中立」を必要以上に求められているメディアにしては、甚だ公平性を欠く「ストレス発散(フクロ叩き)」ではないのか?
そこでも見えてくるのは、石原批判をタブーとするメディアの体質。芥川賞選考委員を務めた著名作家であり、保守論客として名を馳せた前都知事はマスコミ各社との関係が非常に深く、特に読売、産経、日テレ、フジは“幹部が石原べったり”とのこと。
週刊誌も作家はタブー視され、ベッキー、舛添で名を挙げたセンテンス・スプリングこと「週刊文春」、「週刊新潮」「週刊ポスト」「週刊現代」などは、批判ご法度。テレ朝も石原プロとの関係が深く「石原家」には手が出せないらしい。
なので、まともに批判できるのはせいぜい朝日、毎日、共同通信、TBSの4社くらい……のようだが、それらも橋下徹前大阪市長の強圧的なメディア攻撃姿勢(会見や街頭演説、ツイッターやネット番組などあらゆる場で、記者の個人名を挙げ、罵詈雑言や嘲笑を浴びせるなど)に屈して以降、記者会見での吊るし上げや取材排除を恐れ、どんどん沈黙するようになっているというのだから、何とも情けない現実というしかない。
こういう「権力と一体のメディア」と「権力に牙を抜かれたメディア」しか持っていない国で、まともな選挙などできるのだろうか……と、参院選・都知事選への興味も投票意欲も落ちる一方。
政治への期待を込めて投票する18歳以上の若者たちには申し訳ないが、今この国で選挙権を得るということは、根付いてもいない「民主主義」の体裁を保つ手助けができる(あるいは「安倍政権のアリバイ作りの手助け」か)、程度の意味しかないのかもしれない。 選挙の結果も見えている。
(著名な外国人投資家が「日本を破綻に追い込んでいる」と警告する「アベノミクス」を、大っぴらに批判するメディアもないし、違憲の「安保法制」も批判ご法度のせいか、なしくずし的に既成事実化され、一向に政権支持率が下がらない)
とはいえ私も、「安倍政権のもとでの憲法改正」は絶対に阻止したいので、その意思表示くらいはするつもり……
その他、政治には何も期待しないが、「批判を異様に恐れ、攻撃に屈する」こんな社会を変える力を一部メディアには求めたいし、自分も蓄えたいと思う。(その前に、職場、地域など、せめて身近な場所からでも「弱い者イジメ」をなくさないと…)
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