2015/05/11

「驚愕の確変」――昨日の本田は凄かった。



9日のローマ戦で2アシスト、2-1の勝利に貢献。

本田が活躍した朝は、気分がイイ。早速、「サンデーモーニング」が始まる前に20分ほど、You Tubeでタッチ集を見させてもらった。

開始13分でアントネッリのパスに抜け出して放ったシュートは惜しくもGKに防がれたが、こんなシーンを目にするのは本当に久しぶりのこと。アジアカップ後、低迷するチームに合わせるように、試合に出てもサポートに追われるだけの消極的なプレーが目についた本田だったが、まるで別人のような積極性で、縦へ、縦へと攻撃を牽引する背番号10の姿に、「ヨシッ!これが、本田!」とパソコンの前で小さくガッツポーズ。

「球際の強さと縦への意識」を強く求める日本代表ハリルホジッチ監督の影響だろうか、無駄な横パスもほとんどなく、幾度もボールに絡み、攻撃のギアを上げながら右サイドを駆け抜け、迷うことなくゴールへ向かっていたように見えた。常々「足が遅い(&攻撃が遅い)」と言われている本田だが、タッチ集を見る限り明らかに足が速くなっているようにも思う。(「常に進化し続ける男」の面目躍如といったところか、攻撃につなげる判断のスピードも更に増している気がする)

イタリアメディアも今までの酷評から一変して絶賛の嵐……

 「トンネルを抜けるとともに、既存の枠をも超えた。ミランのプレーおける驚愕の確率変動で、ローマを驚かせ右足で2アシストを供給。味方のパスに対して自らを差し出し、常に決意を持ってカウンターに挑んでいた」(『ガゼッタ・デロ・スポルト』)

「シーズン最初のように、極上にしてまた芳醇だった。この日本人は素晴らしいボディーコーディネーションからボレーシュートを放ったが(前半13分)、デ・サンクティスの素晴らしいセーブで弾かれた。そして1-0となるファン・ヒンケルのゴール、2-0となるデストロのゴールは彼のアシストによるもの」(『コリエレ・デッロ・スポルト』)

ミランは意地を見せたが、彼はその魂である。まずは自らゴールを狙い(左足のボレーは危険なものだった)、そしてスピードを発揮して味方に貢献する。2ゴールは彼のアシストによるもので、そして他にもたくさんのいいプレイがあった」(『コリエレ・デッラ・セーラ』)

5月の暑い夜にあって、春の日本の桜のように咲き誇った。花見の季節からは幾分遅れてしまったが、機能をする様を目で楽しむのは素晴らしい。2アシストを記録したが、それだけではなかった。調子を持続させ、フィジカルパワーを発揮して挑んでいた」(民放TV局『メディアセット』電子版)

……などなど。

しかし、「驚愕の確立変動」「極上にして芳醇」「ミランの魂」「春の日本の桜のように」とは、手のひら返し過ぎるんじゃないの?と、いつもながらイタリアメディアの過剰な表現には苦笑するしかないが、贔屓の選手が称賛されるのはファンとして当然ながら悪い気はしない。

そしてダメ押しは、監督インザーギのこんな言葉……「本田はみんなの模範になる。彼の持っている文化が素晴らしい。練習で、彼はいつもやる気に満ちていている。日々向上したいと励んでいる。こういう選手、こういうクオリティーから(我々ACミランは)スタートしなければいけない」

残り3試合も、素晴らしいパフォーマンスを期待したい。できればゴールも!

で、試合後、本田はCSKAモスクワ時代の盟友ドゥンビア(ASローマ/コートジボアール代表)とユニフォーム交換。ドゥンビアもCSKAからローマに移籍するのに時間がかかったし、お互いのキャリアの成長とも言えるセリエAの舞台での再会は嬉しく懐かしいものだったはず。こういうシーンを見ることのできるサッカーは、尚更素晴らしい。

※長友は13戦ぶりに復帰、「誰よりも追い込んできた自信がある」とのこと、代表にも復帰してほしい。フランクフルトの長谷部は代表でもチームでも安定のクオリティ。守備を統率して勝利に貢献、チームは1部残留が確定。ドルトムントの香川は「あれを外すか?!」と思わず声が出たほどの決定機を決められず……相変わらず好不調の波が激しく、パフォーマンスが安定しない。代表の攻撃的中軸としては、かなり不安。

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