2012/11/15

ブラジル行きに王手!


「今日は、引き分けで十分。守り切って終わってくれ~」と祈っていた後半44分、酒井高徳のクロスに、タイミングよく飛び込んだ遠藤が忍者のごとく合わせ(女子W杯決勝の沢のゴールを思い出した)、ラストは岡崎が決めた。

 異様な雰囲気のアウェー、しかも気温35℃という暑さの中、生命線である運動量を失いながらも(特に、今まで見たことがないほど、本田の動きは悪かった)、こういう厳しいゲームを勝ちきるのは、日本代表に底力がついた証拠。キッチリ勝ち点3をもぎ取り、ブラジルW杯出場に王手をかけたのだから大したもの、と素直に讃えたい。

で、ゲーム以上に興味深かったのが、冴えわたるザック采配……

 1:0の後半19分、FW前田を下げて、DF酒井高徳を投入。「えっ、追加点を狙わず、早くも守りを固めるの?」と思いきや、本田が1トップ気味に前へ。さらに長友が2列目左に上がり、右に岡崎、トップ下・清武という布陣(SBに酒井高徳)

ピッチ上に、純粋なFWが存在せず、サイドバックが3人いる(長友&W酒井)という見慣れない構成だが、突破力に優れた長友を前に置くことで右の岡崎と共に、前線の運動量を担保する“走る両翼(サイドハーフ)”が結成され、交代時の「守備的イメージ」がキレイに払拭、むしろ新鮮で攻撃にも十分期待が持てたのだから不思議(試合後、ザックは「左サイドを酒井高徳と長友で制圧したかった」と語っていた)。

さらに、追いつかれた後の後半39分、精力的に動いていた清武を下げ、守備固めのボランチ・細貝を投入。ボランチの一翼、遠藤がトップ下に入り「これはもう、引き分けで終わろうということだろうなあ」と思った途端、あのゴール……

 こうなると、もはや魔術の域。後から投入した選手&ポジションを変えた選手がしっかり点に絡んでいるのだから、“すげえ~”と唸るほかなし。

相手の流れになりそうなゲームを、大胆な軌道修正によって立て直す手腕、選手の能力とポテンシャルを信頼し、そのモチベーションを最大限に高めようとする的確なコーチング。そして厳しい局面に合っても、打つ手によって最良の結果を呼び込める“勝負運”。そのすべてを合わせた見事な采配ぶりは、これまでの代表監督に感じたことのなかったもの(オシムは除く)。この敬愛すべきイタリア人監督は、日本代表をどんな高みに連れて行ってくれるのだろう。ますます2014年が楽しみになってきた。

 

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