2012/02/29

東スポ映画大賞決定

先日、東スポ紙上で「東京スポーツ映画大賞」が発表された。(審査委員長はビートたけし)

作品賞・監督賞は『冷たい熱帯魚』(園子温監督)がW受賞。主演男優賞・主演女優賞は該当者なし、助演男優賞に「でんでん」(冷たい熱帯魚)が選ばれた。

で、“一人勝ち”の『冷たい熱帯魚』……実際にあった猟奇殺人事件(埼玉愛犬家連続殺人事件)を題材にして作られただけあって、内容はかなりエログロ&バイオレンス(その辺が“東スポ大賞”らしい!?)。人間の欲と本性が淫らに渦巻く妖しい映画だが、何故か滑稽でエネルギッシュというコリアン・バイオレンス・ムービーに似た不思議な魅力&パワーが溢れている。

と言っても、基調は“エログロ”。血は飛ぶ、肉塊は転がる、そして役者はキレまくるで、「いや~、良かったよ~」と笑って人にオススメできるようなものではない。また、「家族の絆」をあざ笑うかのような救いも希望もないストーリーなので、身も心も弱っている時などは特に敬遠したい映画でもある。ただ“絆ブーム”に乗じて、陳腐な愛と感動を垂れ流している日本映画が多い中、この「不道徳エンターテインメント」が放つ強烈な毒とパワーは十分に刺激的で得がたいもの。その一点だけでも、私はW受賞に値する作品だと思う。まずは“東スポ”に拍手。そして、主演の二人「吹越満」と「でんでん」の素晴らしい演技に大拍手!(特に「でんでん」は、日本映画史上に残る“ワル”と言っても過言ではないほど、背筋が凍るような凄い悪役ぶりだった。芸人「でんでん」も面白かったが、役者「でんでん」は特上級かも)

※園子温監督作品なら『愛のむきだし』の方が、私は好み(R15指定だが“エログロ度”は低いし、かなり笑える)。女優・満島ひかり&怪女優・安藤サクラを発見した映画でもあり、印象深い。故にオススメはこちら!

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