2011/11/18

深夜食堂


先月末、友人からメールで「火曜の深夜、ぜひ録画してご覧あれ」と強くプッシュされていた『深夜食堂2(TBS火曜2455分~2525)を、十三話から3話分まとめて見た。

最初のタイトルは「あさりの酒蒸し」、苦労人の母と口は悪いが心優しき息子のウルっとくる親子話。アルミの器の中で湯気立つ「あさりの酒蒸し」が実に美味そうで、二人の情愛を象徴しているようだった。
続いて「煮こごり」。煮こごりが大好物の清楚で陰のあるソープ嬢に惚れた弁当屋の店員、その恋の行方は……という人生の良きタイミングを描いた路地裏恋愛譚。いいね、いいね、のハッピーエンド。
十五話の「缶詰」は、生と死の間を感覚が行き来するようなミステリアスなお話。「缶詰」のお題でよくこういうストーリーが生まれるものだなあ、と感心してしまった。「深夜食堂」での出会いがもたらした人生の転機に心の中で拍手しつつ、頭の中はコンビーフやパイナップルでいっぱいに……。

というわけで、旧知の友のオススメ通りの面白さ。なぜ今まで見なかったんだろう?と後悔するほど、味のある、余韻の残る素晴らしいドラマでありました。(当然、毎回録画決定。遅ればせながら原作の漫画『深夜食堂』も読み始めた)

で、何がいいって、とにかく主役の小林薫がいい。NHKの朝ドラの飲んだくれオヤジぶりも見事だが、その居住まい佇まいを見ているだけで、あのカウンターに座って「あさりの酒蒸し」や「煮こごり」を肴に一杯やりたい気分になる。(自分が最初に頼むとしたら、「玉子焼き」かな、やはり)

舞台は昭和の薫り漂う「新宿ゴールデン街」。都会の片隅で、ひっそりと温かい灯を点しつづける「深夜食堂」。思わず懐かしい味の記憶に心を馳せる“ソウルフード”をふるまってくれる店、その人にとって忘れられない思い出の一品から醸し出される人間ドラマ。

その雰囲気だけでも、ぜひ……(少し音が残念ですけど)


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