2021/12/11

12月頭の(かなり長い)メモ①


121日(水)

午前3時過ぎ、凄まじい雷鳴で目が覚めた。強い風と激しい雨……雷嫌いの愛猫ジャックが大慌てで階段を駆け下りる音が聞こえた。(ジャックは私の寝床の横を通って押し入れに身を隠した)

やはり目を覚ました家人と、見たばかりの夢の話をしている間に雷は鳴りやみ、ジャックもノソノソ押し入れから出てきて私の足元に蹲った。そこからまたウトウトして、6時半頃。今度は「ニャー」と餌を催促する声で起こされた。

8時近く、いつもより少し遅めの朝食を食べながら朝刊を開くと、昭和の名曲「神田川」の作詞者・喜多条忠さん逝去(享年77歳)の記事あり。ふと、高校時代の友人のことを思い出した。

九州男児で実直かつ頑固な男だったが、大学のゼミで知り合った女性と、あっという間に半同棲生活を始めるような大胆さと熱情を併せ持った人間でもあった。

当時その彼が、かけてきた電話で言った言葉が「オレ、いま“神田川”なんだよね」……

3畳一間の小さな下宿 貴方は私の指先見つめ 悲しいかいって聞いたのよ

二人の“愛の棲家”(3畳一間……よりは少しだけ広かった)は、土曜の夜ともなると仲間たちのたまり場に変わった。バイト暮らしの貧しい者同士、各々トリスや角(たまにオールド)を持ち寄り、映画・文学・思想・漫画等々、明け方まで「〈永島慎二〉風の朝焼けだなあ」などとほざきながら、時を忘れて語りあったものだった(あれからもう50年。昭和も友も遠くなりにけり)

122日(木)

中村吉右衛門が亡くなった(1128日)……というより、私的には「鬼平が死んだ」と言うべきか。それほどに「鬼平犯科帳」長谷川平蔵役の吉右衛門は素晴らしく、敬愛する池波正太郎の世界に酔わされながら、幾度となくその姿に見惚れたものだった。

(ドラマの余韻が染み渡るテーマ曲、ジプシー・キングの「インスピレーション」もゾクっとするほど良かった。まるで「鬼平」に合わせて作ったかのように)

https://www.youtube.com/watch?v=Tm7N0-LGpEc

脇を固めた粂八(蟹江敬三)や五郎蔵(綿引洪)の姿もこの世になく、本当に淋しい限りだが、「おまさ」は健在。梶芽衣子の末永い活躍を願いつつ、吉右衛門さんのご冥福を祈りたい。

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