2016/08/16

8月上旬メモ①



84日(木)
前夜、『怒り新党』のコーナー「写真家・富岡畦草の次世代に託したい定点写真」に心そそられ(富岡さんは御年90歳。定点写真のパイオニアと呼ばれている方。その若々しさにも驚いた)、深夜まで見入っていたせいか少し寝不足気味。渋谷で映画を観るつもりだったが、出かけるのが億劫になり、駅前のTSUTAYA(のDVD)で我慢、ドキュメンタリー映画『ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年』(監督・阪本順治)をチョイス。
そのDVDの前に、NHK「スタジオパークからこんにちは」内で、ゲストの石橋蓮司主演のドラマ「ふろたき大将 故郷に帰る」を観る。

「ヒロシマ8.6ドラマ」とサブタイトルがついているので、かなりシリアスなドラマかと思いきや、さにあらず。「原爆」を扱いながらも、孤独な老人とオレオレ詐欺の青年(&彼の恋人)の出会いと交流が半ばコミカルに描かれるポップなドラマ。後半、映画好きを喜ばせてくれるセリフ&シチュエーションもあり、石橋蓮司の魅力がじんわり染みてくる佳作だった。
(このドラマは、原爆投下の9年後に広島で制作された児童劇映画『ふろたき大将』の続編とのこと。その主人公の原爆孤児・宮田徳三を演じたのが、当時12歳の「石橋蓮」少年……60年の時を経て、蓮司さんが再び徳三を演じた)

映画『ジョーのあした』は、自分が抱いていたイメージどおりの「辰吉丈一郎」……父・粂二(くめじ)に男手ひとつで育てられた辰吉の、「生まれ変わっても、もう一度自分に生まれたい。父ちゃんの子で生まれたい」と語る姿から、映画は始まる。

全盛期、自らパンチの雨に晒されることを望むかのように、ノーガードで顔を突き出して戦う一種自虐的な彼の“喧嘩ボクシング”は、愛情に飢えた幼い子どものようで痛々しく、あまり好きではなかったが、今も現役にこだわりながら自分の生き方を冷静に見つめ語るその姿は、心の壁を打ち砕いた男の優しさと静かな闘志を漂わせ、グッと人間的な魅力を増した感じ。46歳……再びリングに立つ日が来るのだろうか。

85日(金)
仕事(バイト)の前に、駅前のドトールで小1時間読書。『日本会議の研究』(著者・菅野完/扶柔社新書)を読み終えた。その「むすび」の一文が胸に重くのしかかる。

《この間、彼らは、どんな左翼・リベラル陣営よりも頻繁にデモを行い、勉強会を開催し、陳情活動を行い、署名集めをしてきた。彼らこそ、市民運動が嘲笑の対象とさえなった80年代以降の日本において、めげずに、愚直に、市民運動の王道を歩んできた人々だ。その地道な市民運動が今、「改憲」という結実を迎えようとしている。彼らが奉じる改憲プランは、「緊急事態法」しかり「家族保護条項」しかり、おおよそ民主的とも近代的とも呼べる代物ではない。むしろ本音には「明治憲法復元」を隠した、古色蒼然たるものだ。しかし彼らの手法は間違いなく、民主的だ。
私には、日本の現状は、民主主義にしっぺ返しを食らわされているように見える。
やったって意味がない。そんなのは子供のやることだ、学生じゃあるまいし……と、日本の社会が寄ってたかってさんざんバカにし、嘲笑し、足蹴にしてきた、デモ・陳情・署名・抗議集会・勉強会といった「民主的な市民運動」をやり続けていたのは、極めて非民主的な思想を持つ人々だったのだ。そして大方の「民主的な市民運動」に対する認識に反し、その運動は確実に効果を生み、安倍政権を支えるまでに成長し、国憲を改変するまでの勢力となった。このままいけば「民主的な市民運動」は日本の民主主義を殺すだろう。なんたる皮肉。これは悲喜劇ではないか!》

※ショッピングカード5%OFFの日で、駐輪場は大混雑。暑さも手伝い、キレる男が2、3人……やれやれ。

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