2015/11/24

「なんだかなー」



先日(14日)、阿藤快さんが亡くなった。(“海”から“快”に改名していたことも、その時に知った)

「ぶらり途中下車の旅」等で度々その姿は見ていたが、役者としての彼となると、遠い昔『祭りの準備』(監督・黒木和夫/1975年製作・公開)で見た以外、ほとんど記憶にない。
村のワル「原田芳雄」の相棒か取り巻きの一人だったと思うが、野性味溢れるアウトローと異相の俳優が並んだカットは、どこか異様な迫力があり、私の中では竹下景子のヌードシーンに匹敵するくらいのインパクトがあった。(でも、この映画で最も印象的だったのは、東京へ旅立つ主人公・楯男(江藤潤)に餞別の「あんぱん」を渡し、走り出す列車を追いかけながら、何度もバンザイを叫んで見送る「原田芳雄」……ジーンと胸が熱くなる名シーンだった)

映画を観たあと「阿藤海」という名前もしっかり頭に入れ「独特の存在感のある渋い脇役・悪役になるのでは」と注目していたが、「なんだかなー」という名セリフ(口ぐせ?)は残したものの、何故か“名バイプレーヤー”と呼べるような目立った活躍も見せず、微妙な立ち位置で終わってしまった気がする。(ちなみに彼の出演作を調べたら、意外にも過去に観た作品が13本もありビックリ……でも、「阿藤海」の役柄も登場シーンも全く思い出せなかった)

で、その人となりが知りたくて、彼の公式ブログを覗いてみたのだが、またまたビックリ。ブログのタイトルは『やみつき暗示馬券』(ん?)……競馬歴40年の大ファンらしく記事のすべてが「競馬予想」。しかも予想といっても、よくある◎・〇・▲の印や個々の馬へのコメントはなく、ひたすらレース名と馬番が記されただけの、異様にあっさりしたもの。
「有馬記念予想」と短いタイトルが付いた一行〈有馬記念4、6、8、1112141516です。〉が最後のコメントだった。(更新日は20141227日。ちなみに翌日の28日に行われた有馬記念の優勝馬は4番ジェンティルドンナ、2着は6番トゥザワールドで、快さん見事的中)

有名芸能人の「公式ブログ」が競馬予想一色というのも妙だが、大の競馬研究好きという割には、競馬(予想)に対するこだわりも思い入れの深さも感じられないことが、私にはより奇異に思える。

「なんだかなー」……と、こちらが言いたくなるような、まったくなんの衒いもない(というより、なさすぎる)そのブログの存在と放置の仕方に、役者としてさほど強い印象を残さず、ひとり突然この世を去った「阿藤快」の〈抜きん出た執着のなさ〉とでも言うべき個性が隠されている気がするのは、単なる私の思い過ごしだろうか。

チョイ役ながら確かな存在感を見せた『祭りの準備』から早40年……そんな不思議かつ不可解な余韻を残して、俳優「阿藤快」は原田芳雄の待つ天国へ旅立った。改めて合掌。

※今日は少し暖かいが、昨日は寒かった。「HEAT TECH」を中に着込んでいなかったら、駐輪場の仕事にもかなり響いたはずだが、それでもまだ寒さは序の口。ヒートテックに限らず、これからますます安くて暖かい「ユニクロ」製品が手放せなくなりそうだ。(今までデザインに関して散々ケチをつけてきたのに、バイトのお陰で今は“サンキュー、ユニクロ!”……)

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