2015/04/04

おバカな会話と『エイプリルフールズ』


金曜(3日)の朝、階下から聞こえてきた愚息とツレの会話。

「仕事で八丈島に行くんだけど、パスポートとかいらないのかな?」
「はい~っ?! 要りません!日本ですから!」……
もう、恥ずかしいやら、情けないやら、可笑しいやらで、「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん」と8.6秒バズーカ―風に一人ツッコミしつつ眩暈を起こしそうになったが、思えばそれもこれもひとえに家庭教育の至らなさ。友人たちと領土問題を論じ合う前に、尖閣・竹島どころか八丈島すら日本の領土と思っていない無知な倅を何とかしなきゃ!と、今更ながら親として猛省した次第。(でも、このご時世、領土意識が低いのは、あながち悪いことでもないような…?)

さて、話の日付を戻して「41日」……近場で何か面白そうな映画でもやっていないか?と、Tジョイ大泉のウェブを覗いてみると丁度この日、大ヒットドラマ「リーガルハイ」の脚本・監督コンビによる群像劇『エイプリルフールズ』が封切とのこと。
もちろん、エイプリルフールに合わせた異例の水曜封切だが、他にまったく観たい映画がない中での唯一の選択肢。迷うことなく出かける準備を整え大泉学園に向かった。(映画の前の腹ごしらえは、最近お気に入りのラーメン店「こうすけ」の特製・塩ラーメン)

上映開始は1325分。「松坂桃李」目当てなのだろうか、館内にはいつもの中高年に混じって若い女性たち(小中学生のグループを含め)の姿が目立つ。(その松坂桃李が演じるのは“ニセ医者でスケコマシのクズ男”……果たして、うら若き女子たちの期待に添えただろうか?)

物語は、そのクズ男を目がイッちゃってる感じの“妊婦”戸田恵梨香が襲う「イタリアレストラン籠城事件」を中心に、「ロイヤル夫妻の休日」(里見浩太郎&富司純子)、「不器用な誘拐犯」(寺島進お得意の、根は優しいヤクザ役)、「占い老婆の真実」(怪しい「りりィ」の笑える「手の目」)、「僕は宇宙人」(不登校の中学生が、鬼太郎風に髪を逆立て宇宙船と全力交信)など、それぞれ小さな嘘をベースにした七つのエピソードが絡み合い、大騒動を巻き起こしながら「ドタバタラブコメディ」風に展開していく。

で、「ドタバタラブコメディ」と言うからには、笑える場面満載かと思いきや「小笑い」は多々あっても「大笑い」は皆無(中高年男子の笑いのハードルは高いのだ!)。その分、小ネタを散りばめ「涙オチ」で〆るというお決まりパターンを抜け出せないのが日本のコメディ映画の力なさ……もっと驚くくらいにドタバタで、頭が空っぽになるくらい馬鹿馬鹿しく無意味で無節操でパワフルな作品を期待していたが、意に反して笑いも涙も中途半端。
だからと言って、快作『キサラギ』や『探偵はBARにいる』を手がけた当代きっての脚本家・古沢良太の才能&筆力を疑うことはないが、その新しいチャレンジに「まあまあ、面白かった」という暇つぶし程度の感想しか湧いてこないのは映画ファンとして残念なこと。でも、古沢良太・石川淳一の売れっ子コンビに触発されて、松坂桃李をはじめ役者陣は自分のイメージを変えるくらい頑張った!ということで、★3つ半くらいはあげたい気がする。

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