今日は4月中旬並みの暖かさだとか。ポカポカ陽気は嬉しいが、お陰で花粉も大量飛散、朝から目の痒みがとまらない。おまけに今年は花粉、黄砂、PM2.5の“トリプルパンチ”とか……当然、早めに薬を飲むなど対策は講じているが、強烈なパンチを交わせるほどの効力は期待薄。厳しい春になりそうだ。
さて、昨日DVDで観た映画『おとなのけんか』(脚本・監督ロマン・ポランスキー)。
あらましを紹介すると……登場人物は4人、子供同士のケンカで怪我をした子の両親(ジョディー・フォスター&ジョン・C・ライリー)と、怪我をさせた子の両親(ケイト・ウィンスレット&クリストフ・ヴァルツ)。で、加害者側の両親が被害者宅であるブルックリンのお洒落なアパートの一室を訪れ、和解のための話し合いを始める。
パッと見、立派な大人同士。最初は穏やかな雰囲気の中、お互い“良識ある態度”で相手を尊重しながら会話は進むのだが、加害者の父親(弁護士)にひっきりなしにかかってくる「携帯電話」のせいで、その場の空気が徐々に険悪なものになり、まとまりかけていた話もどんどんグチャグチャに……果ては話し合いの目的も“夫婦の絆”もぶっ飛び、誰もが本性あらわに言いたい放題。自爆同然に地雷を踏みあい、傷つきボロボロになって泥沼化してしまうというお話。
まさに敵味方入り乱れ、リング狭しのバトルロイヤル。その修羅場の滑稽さに、笑いっぱなしの79分。さすがポランスキー!と唸るほかない“シチュエーション・コメディ”の傑作だ。
もちろんキャストも文句なし。特に、「ペネロペ」役のジョディー・フォスター、4人の中で最も美意識が高くリベラルな思想の持ち主であるような彼女が、リベラルも良識もかなぐり捨てて顔をひきつらせながら罵る様など、恐ろしいほどイイ(というかメッチャおもろい)。
その“笑い事じゃないわよ!”的な強張った表情が、逆に笑いのポテンシャルを高めつつ作品の奥行を広げているわけで、この辺りが名女優の証であり脚本の妙。
で、観終った後、《人間、「保守」「リベラル」という思想的立場や信条に関係なく、年をとって丸くなるのは体だけ。寧ろ年を重ねるほどに他人の価値観に対して寛容さを失うものだよ。アナタも笑われないように気をつけなさい》……と、80歳の巨匠に諭されたような気になる一作。最後のオチも笑える。R50必見か!?
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