衆院選の陰に隠れ、あまり盛り上がらず予想通りの結果で終わった「東京都知事選」。
かつては、本命・対抗以上に、赤尾敏(日本愛国党)、東郷健(雑民党)、内田裕也、桜金造など、“泡沫候補”とは言いながら、ユニークな発言とパフォーマンスで選挙戦を盛り上げてくれる個性的な立候補者がいたが、時代と共にそういう人が少なくなり、政見放送を見る楽しみも減ってしまった。
そんな中、ひとり異彩を放っていたのが、スーパーマンコスチュームで身を包み「目と目があったらスマイル」と呼びかける、スマイル党総裁「マック赤坂」氏。
財団法人スマイルセラピー協会会長(医学博士・社会心理学博士)らしいが、その「マニフェスト」が、選挙公報を読みながら一人で大笑いしちゃうほど、群を抜く面白さ。
例えば、東京を〈スマイル特区に〉という項目では「眉間にシワで東京都の街頭を歩いた時は東京都迷惑条例により3万円の罰金刑」、〈高齢者特区に〉では「65歳以上の高齢者に一律月2万円支給。同時に恋愛セラピー実施」、〈恋愛特区に〉では「東京都民は老若男女、恋愛を人生の喜びとする。東京都民は恋愛モテモテコースを都民割引で優先受講できる」など、想像しただけでハッピーになれそうな公約がてんこ盛り。(眉間にシワで3万円では、新都知事の猪瀬氏などいくら給料を貰っても追いつかないはず。東京の街は歩けないなあ……などと想像するのも楽しい)
で、ふざけているのかと思いきや「うつ病と自殺対策」に力を入れ、「都職員・都議会議員の人数と報酬を50%カットする。都知事の報酬はゼロ」「原発反対。五輪誘致反対。新東京銀行は民営化」と真っ当なこと(?)も書いてある。
う~ん、64歳にしてこの不思議なスマイル感覚&奇抜な発想力、只者ではない……と感心する他ないが、そこは泡沫候補ゆえの悲しさ、ユニークなマニフェストが大量の票に結び付くわけもなく、約3万8千票であえなく落選。(私も心の中で応援はしたが、一票は別の候補者へ……)
まあ、それでも本人は一向に挫けることなく、今日も「スマイル!」だろうし、その姿は、きっと来年も変わらずに拝めるはず。私も一層の「右傾化」を心配することなく、よりパワーアップした彼のパフォーマンスとマニフェストを楽しめる参院選になることを今から願っている。
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