2019/07/15

「熱狂」の何が悪い!?




《政治に関心をもってこなかった人たちに関心を呼び起こした山本太郎の功績は大きい、と評価する人たちは多いだろう。 確かに昨日(12日)の品川演説も、とても多くの聴衆を集めた。 けれど、「時間がない」という切迫感の中でカリスマ的な指導者に頼ろうとするうねりが大きくなることには警戒すべき。》……など。

参院選が中盤に入り、主に立憲民主党を支持する知識人たちが(上記の“呟き”の上西充子氏ほか)、山本太郎及び「れいわ新選組」への支持の広がりを、何故か敵対勢力の台頭のように“警戒”するコメントを発しているのを目にする。(差別主義者や排外主義者、軍国主義者の熱狂とは、真逆の方向性なのに!誰も山本太郎を「カリスマ」などと崇め盲目的に支持しているわけでもないのに)

で、その一人、上西充子氏は、こんなことも呟いている。(「国会パブリックビューイング」の取り組みなど、その活躍には敬意を表していたのだが…)

《「この国は完全に壊れています」「時間がないんです」「あなたを幸せにしたい」という山本太郎議員の言葉と、「変わるのは私たち 変えるのも私たち」「一人のリーダーだけでは社会は変わらない」「時間がかかっても、私たちが変えていこう」という大椿ゆうこ候補の言葉を比べて、考えてみてほしい。》

と、暗に山本太郎および「れいわ新選組」を支持する人たちの翻意を促しているが、選挙で勝つのは「正しい(ことを言う)人」ではなく、その短い期間で多くの人々の心をつかんだ人。(もちろん「山本太郎」も“正しい人”の一人だと思うが)
一人の聴衆として、目の前でこの二人の言葉を聞いた時、果たしてどちらの言葉に心を動かされるだろう。
明らかに、「変わるのは私たち」と、見も知らぬ「私」に意識変革を迫る人より(多分、私をはじめ多くの人は「大椿ゆうこ」を知らない。その知らない人に「変われ」と言われて、一体、誰が変われる? なぜ、変わる必要がある?)、「あなたを幸せにしたい」と、胸のど真ん中に直球を投げ込む「山本太郎」の方ではないだろうか。
(「時間がかかっても、私たちが変えていこう」って、それはいつだ!?戦いの最中に負けを認めているような、そんな弱腰で悠長な、ただの決意表明に誰が惹かれる? 誰がついていくのか?
で、「一人のリーダーだけでは社会は変わらない」…か。当たり前だろ、みんな分かってるよ!そんな説教くさい言い訳じゃなく、「私が先頭に立つから、力を貸してほしい」と、なぜ言えない?)
ひょっとして上西氏は、「山本太郎」の支持者たちは、ひたすら「カリスマ」に従い、その言葉に酔い、その場の空気で流されるだけの無知・無思考な人間、冷静に判断できない危険な人々だとでも思っているのだろうか? それこそ「知識人」の傲慢ではないのか?(こっちこそ「党派的」な発想・思考から抜けられず、「れいわ新選組」の登場による急激な情勢変化に慄くアナタに、山本太郎が巻き起こした熱狂の意味を冷静に「考えてほしい」)

私は今回の参院選、《いつの時代も、大衆の「熱狂」を集められない政党・政治家は選挙に勝つことはできない》ということを間違いなく知っていて、それを実践しようとしているという点で、山本太郎が一番の「政治家」だと思っている。
(例えば、「郵政民営化」の是非だけを国民に問い圧勝した小泉純一郎のように、「アメリカ第一主義(経済的国家主義)」を掲げて勝利を収めたトランプのように、また歴史的には「外国からの抑圧・民族の危機(ヴェルサイユ体制打破・ユダヤ人排斥)」を訴え、煽り続け、国民の心にナショナリズムの火をつけて台頭したヒトラーのように、大衆の「熱狂」を生み出すプロパガンダの秘訣は、友人の言葉を借りれば「単純化された一つのことを繰り返し、繰り返し主張すること」)

だからこそ、彼は《「消費税廃止・減税」一本で闘おう、まとまろう!》と、共闘を呼びかけたのではないか。
「消費税廃止!お金はあるところからとる」という正に「右か左かではなく、上か下かの闘い」……格差社会の「上下対決」を鮮明にするその強烈なワンイシュー(を争点とする闘い)の呼びかけに反応することなく、「増税凍結」などというおざなりな方針で金持ち優遇の税制を容認し、対決色を薄めることで何とかまとまった「野党共闘」に、一体誰が、大きな期待を抱くことができるというのだろう。(「消費税廃止」は、「税金の取り方を変える」もの。「税金の使い方を変える」という以前の民主党の政策より、はるかに革命的だと思う)
立憲パートナーズの一人でもある私を含め、多くの人たちが「自公に勝つ気もなければ、本気で闘う気もないんだな」「また暫く、予定調和のような国会が続くのか…」と、失望するのは当たり前ではないか。

山本太郎と「れいわ新選組」が生みだした「熱狂」は、そんな失望の裏返し。現政権のやり方に長く苦汁を飲まされてきた人々の怒りであり、労働者の味方でも何でもない「連合」に忖度する政党への苛立ち・不信であり、日々の生活にあえぐ人々の叫び……この国が捨て去ろうとしている当事者としての市民一人一人が生みだしたものではないのか。
その当たり前の「熱狂」を怖れ、その意味も理由も探ろうとしない「知識人」は、政治のダイナミズムの中に飛び込むべきではない。そのような「知識人」の存在を(少なくても)私は、必要としない。以上。(ちょっとキレ気味だったかも)

で、気分直しにこの動画(政見放送)……「新しい人じゃダメですか?」
https://www.youtube.com/watch?v=i0Hjg2hKiQQ
山本太郎同様、党の「指導」に屈することなく「消費税廃止」を訴える立憲民主党・石垣のりこさん(宮城選挙区立候補者)。ぜひ当選を果たし、立民の「新しい物語」を作り上げる一人になってほしいと思う。

P.S.
山本太郎の「選挙ハガキ」が友人・知人に届いたようで、その中の数人からメールあり。

「山本太郎氏 の応援ハガキいただきました。「れいわ」は比例の特別枠(ファストパス)で障害者の方々を入れてますね。与党の身勝手でできた制度のようですが、他の野党も反対だけじゃなくアイディアで逆手に取ればいいのに‥ と思ってました。」
と、“同感”の言葉を送ってくれたのは、我が「コトノハ舎」の生みの親であり、私同様、映画とサッカー観戦が好きな建築デザイナーのIWAMAさん。(静かに熱く、心優しきプロフェッショナル……また、「コトノハ舎」で、楽しく語り合いましょう!)

「私が政治家なら、「まともな金利を払え、黒田を即刻首にしろ(金利ゼロでどうやって2000万円ためろというんだ!)」というスローガンで打ってでるけどね。高齢者から圧倒的な支持を得られるのじゃないでしょうか。太郎君は、どちらかというと貯金とか持ってない若者ないし氷河期世代が相手だから、こういう発想はでてこないと思いますが。異常な低金利政策は、預金者の懐からお金を取り上げて、株式投機するハゲタカどもへの資金供給源を与えています。所得効果から考えれば、全く中立的な政策ではありません。」
と、目からウロコ的な意見&提案を送ってくれたのは、旧知の友人であり、敬愛する経済学者のN君。(ぜひ、山本太郎のブレーンの一人になっていただきたいなあ…マジで!)

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