2018/09/20

カラスにやられた朝に。




敬老の日(17日)の午前9時半過ぎ。
「大変、大変、カラスに荒らされて、ゴミがすごいことになってるよ。片づけといてね~!」と、仕事に出かけるツレの声が響いた。
「え~~っ!!」と驚き、玄関から外を覗いた瞬間、ゴミ係の私は目がテン。バナナの皮やら魚の骨やら、キチンとゴミ袋に入れて出したはずの生ゴミが散乱してメチャクチャな状況……

「やれやれ」と仕方なく丁寧に掃き清め、それを新しいゴミ袋に詰め直し、何とかゴミ収集車が来る前に片づけを終えたが、カラスに余計な仕事を増やされ朝から気分悪し。(市の指定収集袋は黄色。でも「カラスは黄色が嫌い」なんて真っ赤なウソ!)

これまで狙われたことなどなかったのに、何がいけなかったのだろう? と思って調べてみたら、カラスは「赤・オレンジ・茶色が見えているところを狙う(カラスの好物、肉や果物の色)」傾向があるらしく、やられた敗因は恐らく「コーヒーの滓」。目のいいカラスには、半透明のゴミ袋から焦茶になったペーパーフィルターの色がはっきり見えたのだろう。(散乱したゴミの中から漂うコーヒー滓の臭いも気色悪かった)

で、どうすれば被害を防げるかだが、最も効果があるのは「生ゴミを見えなくする」ことだそうで、生ゴミを新聞紙でくるんでからゴミ袋に入れるのが良いとのこと。次から早速試してみるつもり。

さて、そんな折、朝刊の生活欄「職場のホ・ン・ネ」にこんな投稿記事が載っていた。投稿者は東京在住の30代男性。

《東京都内の自治体からゴミ収集業務を受託している会社で働いています。最近つらいのが、作業中に一部の住民からひどい言葉を浴びせられることです。「臭いから早く持っていけ」と言われたり、「勉強をしないから、こんな仕事をすることになる」と周囲に向かって大きな声を出されたりします。理不尽な暴言には反論したいのですが、上司は仕事を失うことを恐れて委託元の自治体には伝えず、「我慢してくれ」と言うばかりです。今は仲間内で愚痴を聞いてもらうよりなく、やりきれません。》

察するに暴言の主は恐らく高齢者。私も駐輪場の整理員として働いていた時、「こんなところで働きやがって」「教養もないお前みたいなヤツが、オレに指図するな」など、見知らぬ高齢者から度々暴言を受けたことがあり、「若い人もそんな目にあっているのか」と、とてもイヤな気分になった。が、それもストレス社会・日本の隠れた一面。

都市化、過疎化、核家族化、少子化などにより、特に中高年男性にとっては「あたたかな場所」とは言えなくなった地域社会の中で、ゴミ収集の様に人が嫌がる面倒な仕事や学歴・知識・専門性を要しない仕事に携わる人たちは「負け組」扱いされやすく、深まる孤独感や満たされない承認欲求を抱えた“キレやすい高齢者”の格好のターゲット。地域の中で孤独な高齢者が減らない限り、そこで働く人がこのような暴言を受けるリスクから逃れることは難しい。

 「人生100年時代」などと“働け、働け”アドバルーンを上げながら、強引に「自助努力」「自己責任」を迫る前に、高齢者の孤独を少しでも和らげるコミュニティづくりや高齢者同士のコミュニケーションを促すシステムづくりなどに力を注ぐべきでは?と思う。私たち(高齢者)は、できれば働きたくはないのだから。

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