2018/09/13

恵比寿で「3大テノール」&『往生写真』




先週の金曜(7日)、ツレの“お伴”で「東京都写真美術館」へ。その1階ホールにあるシアターで、シネコンサート『3大テノール 世紀の競演』を観てきた。(と言えるかどうか…?)
「世紀の競演」は、1990年、サッカーW杯イタリア大会決勝戦の前夜祭として、ローマの史跡カラカラ浴場跡で催された野外コンサートの映像版。(「3大テノール」初めての共演だそうだ)

とりわけオペラに関心があるわけでもなく、「3大テノール」と言われても名前を知っているのはパヴァロッティだけ。ツレには事前に「多分、観ているうちに寝ちゃうと思うけど、起こさなくていいからね」と断りを入れての鑑賞だったが、予定通り、上映開始から15分程度で寝落ち。
(このところ、朝スッキリ目覚めた感のない私…「いい音楽を聴きながら昼寝するのも悪くない。少しは疲れもとれ、頭もシャキッとするかも」と端から寝落ちを決めていた)

その後「帰れ、ソレントへ」でボンヤリ目が覚め、またすぐにフェードアウト。パヴァロッティの「誰も寝てはならぬ」も、夢の中で聞こえている感じで、完全に眼が開いたのはアンコールの歓声と拍手が鳴り響いた時……目覚めたあとのアンコール曲「オ・ソレ・ミオ」と「誰も寝てはならぬ」は、覚醒した頭の中を吹き抜ける力強い風のようで、実に爽快。何とも新鮮な味わいだった。
(自分自身が歳をとり、日々の睡眠量が少なくなってきたせいか、最近は「(自分も含め)高齢者にとって映画館は睡眠不足を補う上でも恰好の場所。大きな鼾さえかかなければ……」と、映画館で寝てしまうコトや人に寛容になった気がする)

帰りがけ、写真美術館のミュージアム・ショップで、荒木経惟の写真集『往生写真』(平凡社/2014年)を購入。

翌日、それをパラパラ捲りながら眺めていたが、日々痩せ衰えていく「チロ」と、小さな棺の中で眠る「チロ」に遭遇、あやうく落涙しそうになり、しばし瞑目。

眼を開けたそのすぐ後に見た、天国のような、地獄のような……でも、確かに、この世の風景のような、アーティスティックな「空」の写真が素晴らしかった。(美しく、どこか寂しく、愛おしく)

※「チロ」は、亡き妻・陽子さんと荒木さんの愛猫。20103月に22歳で亡くなった。

 

 

 

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