2018/09/11

はじめての「味スタ」(&時事イ談義)




サッカーファンと言いながら、スタジアムでの生観戦は過去に一度あるのみ(しかも20数年前)。テレビやネットで見るのも海外と代表ばかり。JリーグはBSが生中継する試合を時折見るだけという私だが(何故かというと、特に贔屓にしているチームもないし、生で観たい選手もいないから)、アンドレス・イニエスタとフェルナンド・トーレスがJリーグでプレーすることになった今年は、
さすがにテレビの前で悠長に観ているだけでは済まなくなってきた。

というわけで、先週の日曜「FC東京 VS サガン鳥栖」の試合を観るため、友人のO君と京王線・飛田給駅で待ち合わせ、「味の素スタジアム」へ。(お目当てはもちろん、フェルナンド・トーレス。
とはいえ私たちが座るのはFC東京の応援席。迂闊に声援を送るわけにはいかない)

駅から歩いて5、6分。「味スタ」に着いたのは、試合開始の40分ほど前だったが、私たちが観戦する北サイドスタンドはすでにほぼ満杯状態。ピッチに近い下層スタンドで空席を探してはみたものの見つからず、上層へ移動。そこで5分ほど探してようやく2席を確保した。

試合開始直前、FC東京のアンセム(応援歌)「You’ll Never Walk Alone(通称ユルネバ)」の歌詞が大型スクリーンに映し出され、ゴール裏に陣取るサポーターの大合唱が場内に響き渡る。
「リバプールFC」のアンセムとして有名なこの歌が大好きな私も、喜び勇んで合唱に参加。仕事の都合で来られなくなったY君に貰ったタオルマフラーを胸に掲げて声を張り上げた。
(下のアドレスは、You Tubeで見つけた2つの「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」。最初は、ロックバンド「ジェリー&ペースメイカーズ」、2番目は「リバプールFC」の本拠地アンフィールドに流れるユルネバ)


キックオフ時には、815日に乳癌で亡くなった漫画家さくらももこさんの代表作「ちびまる子ちゃん」のテレビアニメ主題歌「踊るポンポコリン」をもとにした長谷川健太監督のチャントも流れ、早くもサポーターのボルテージは最高潮に……ケーンタ ケーンタ パッパパラパ ケーンタ ケーンタ 踊るポンポコリン ピーヒャラピータイトル欲しいよー♪
(さくらももこさんと長谷川健太監督は小学校の同級生。「ちびまる子ちゃん」にも長谷川監督をモデルにしたサッカー少年「ケンタ」がクラスメートとして登場する)

で、肝心の試合の方だが……双方チャンスは幾度かあったものの、いずれも決めきれずゴールレスドロー(トーレスもイマイチ目立たず後半ロスタイムに交代)。
どちらのチームにも特別の思い入れがない私にとっては、ビールを飲み、焼きそばを食べ、フライドポテトをつまみながらのサッカー観戦はなかなか楽しいものだったが、ゲーム的には盛り上がりに欠け興奮度はイマイチ。そのせいか、スタジアムを後にするFC東京ファンの足取りも心持ち重いように感じた。

試合終了後、O君と二人、駅へ向かう人波から抜け出し、通りに面した居酒屋を目ざとく見つけ、軽く一杯……常にオープンマインドであることを是とし、民主主義と憲法を破壊する政権に憤り、安倍続投を危惧する高齢男子同士。サッカーの話はそこそこに、すぐに話題はそっち方面へ。

その①「天皇の戦争責任」
8月25日の朝刊に《「戦争責任いわれる」昭和天皇の苦悩》と題する記事が載っていたが、「一撃講和」を支持していた史実から見ても、戦争責任があるのは明白。戦後すぐにその責任を認め、自らの非を謝してけじめをつけ、勇気を持って退位されていたら、日本はどんな国になっていたのだろう……(間違っても、底の浅い日本礼賛を繰り返し、近隣国を貶めるような輩が堂々と跋扈する国になることはなかったのでは?)
その②「ノモンハンと靖国神社」
後学のために私も一度は「靖国」に…と思っていたが、「無謀な作戦の責任を部下に押し付け逃れた将官や参謀が祀られている場所で、手を合わせるなんて、できないなあ」というO君の言葉に、「確かに」と頷くのみ。
その③「東条英機と安倍晋三の相似」
『田中角栄と安倍晋三』、『昭和の怪物 七つの謎』など、昭和史研究の第一人者で作家の保阪正康氏の著書によれば、自分と親しい政治家や官僚を重用する「お友達内閣」は東条と同根。マスメディアへの対応(反対意見の封殺、報道への露骨な干渉と恫喝)や、「本を読んで知識を積んだ様子がない」ところもよく似ているらしい。そのため議会答弁も「形容句の多用」「立論不足」「耳学問」という(本を読まない人の)三大特徴を持ち、戦前の軍人が答弁している姿と被るとのこと。(「偽造、捏造、安倍晋三」などとネットで揶揄され、笑われているが、知れば知るほど危ないヤツ。笑ってすませるわけにはいかない)
その④「省庁の障害者雇用水増し問題」
障害者雇用の推進を掲げながら(しかも民間企業には厳しく義務付けながら)、自らごまかす罪深さ。「この一件だけでもデモがあれば行きたいけれど、なぜみんなもっと怒らないのだろう」とはO君の言。こんなことをやっている国がパラリンピックを開く資格などあるのだろうか?……

などなど。やはり持つべきものは友。1時間強というやや短い時間ながら、程よく熱く語り合い、多少なりとも頭の中のモヤモヤが晴れ、整理できた感じ。

で、次に会う日を楽しみに駅で別れたのだが(私は新宿方面、O君は橋本方面へ)……乗っていた電車が「桜上水」に着いた途端、「234分頃、代田橋駅で人身事故が発生したため、桜上水~新宿駅間の運転を見合わせる」との車内放送があり、やむなく下車。
その後すぐに駅員さんのアドバイスに従い、一駅先の下高井戸まで歩いて世田谷線に乗り、2駅目の「山下」で再び下車。そこから「豪徳寺駅」まで少し歩いて小田急線に乗換え、新宿に着いたのは245分。急ぎ足で長い階段を上り、JRの改札を抜け、ようやく山手線に乗り込みホッとひと息。何とか西武池袋線の終電に間に合った。(お陰で身体はクタクタ、着ていたシャツは汗でヨレヨレ。秋の気配を感じる涼しい一日だったのに…)

季節の変わり目。皆様くれぐれもご自愛のほど。



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