「本当の敵は優しい笑顔でやってくる」……誰が言ったのかはハッキリ覚えていないが(確か、メキシコで暗殺されたロシアの革命家・トロツキーだったと思うけど)、小池都知事の勝利の笑顔をテレビで見ながらそんな言葉を思い出した一昨夜。
安倍政権の暴走を防ぐという意味で、自民党が30議席以上を減らし大惨敗したのはとても喜ばしいことだったが、その分の議席がそのまま都知事率いる「都民ファーストの会」に流れ込むという構図は、見ていてさほど気持ちの良いものではなかった。
何故かと言えば、“積極的な情公開姿勢&古い議会から新しい議会へ”という至極真っ当な方針を、余裕の笑顔でソフトに訴えかける選挙上手な小池マジックにメディアも都民も魅せられ、乗せられ「都民ファーストの会=都民目線のリベラルな地域政党」というイメージが、いつの間にか広く浸透してしまった“不気味感”というか、それは「ちょっと、違うんじゃないの?」という思いがあるから。
もちろん、小池都知事及び都民ファーストの会の議員たちが「都政改革」へ取り組む姿勢に嘘はないだろうし、民進党などが存在感を失う中で都民の怒りの大きな受け皿になれたことは素直に評価したいと思うが、兎に角、振りまく革新的なイメージに反して、党を牽引するリーダー二人(小池都知事及び7月3日付で再び代表の座に就いた野田数)の憲法感・歴史感がヤバすぎるのが、最も危惧するところ。
(小池氏は「戦後教育は自虐的」と過去に何度も発言している「改憲派」で、もともと「日本会議」と深い関わりのあった人。野田氏は「現行憲法の無効」を主張し、「国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄すべき」などとトンデモ発言を繰り返すゴリゴリの右翼)
平たく言うと、自民党の改憲草案や安倍政権と通底する新たな「ナショナリストの政党」が、都民を味方にして出てきたという感じ。東京五輪後に、「都民ファースト」から「国家ファースト」へと目線が変わり、安倍的な自民党とつるんで一気に憲法改正を仕掛けてきたとしても何ら不思議なことじゃない。
というわけで、「都政改革」への期待と、その後の「国政進出」への不安を同時に孕む「都民ファーストの会」の圧勝劇……「情報公開」「ワイズスペンディング」&「築地は守る、豊洲を生かす」もさることながら、私を含め多くの都民が安倍政権への怒りを込めて振った賽の目が、数年後、国政の場で良からぬ方向に転がらないことを願いたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿