2013/04/26

子午線の街で。




春の椿事か? 友人の紹介で参加したコンペ仕事(ビジュアル面の企画制作)が僅差で勝利。ヨシッ!とホッと一息ついたのも束の間、別の仕事が次々に舞い込み、急激に忙しくなってきた。もちろん有難いことではあるが、久しぶりの“大繁盛”に身体がついていかなくて困る(お陰でブログも滞る)。この調子ではゴールデンウイーク中も“一人仕事祭り”な感じ。5月一杯は映画を楽しむ余裕もなさそうだ。(と言いながら、昨日は息抜きがてら友人オススメの『舟を編む』を観にTジョイ大泉へ……松田龍平、いいね!映画もグー!)

というわけで、仕事がらみの旅ばなし。

先週、5年ぶりの出張取材で兵庫県・明石市に行ってきた。

取材先との約束日時は19日(金)の朝8時半。当然のごとく前泊の予定を立て、18日の午後6時近く山陽電鉄「明石駅」近くのホテルに到着。チェックインを済ませた後、フロントで貰った市街地マップを手に、明石に馴染のある友人に教えてもらった“魚の美味い店”を探しがてら駅周辺を散策……といっても外はすでに宵闇、地元で「うおんたな」の愛称で親しまれている明石の台所「魚の棚商店街」も閑散としていて人影も疎ら。微かに漂う磯の香に昼間の賑わいを感じながら「ココは仕事の後のお楽しみ」と軽く行き過ぎ、どこにでもある「銀座通り」を横切った。

目指す割烹『一とく』は、その通りから路地に入って直ぐの所。とりあえず場所だけを確認し30分ほど路地裏をブラブラした後に、暖簾をくぐった。

店内は厨房と向い合せのカウンター(6席)&小あがりの座敷(テーブル2席)というこじんまりした空間(二階の個室もあるそうだ)、客は私を含めカウンターに3人、座敷に3人、若く寡黙な板長と気さくな女将が2人で切り盛りしていた(話を聞くと板長は息子さんのようで、半世紀続く店の三代目)。
で、“とりあえずビール”を飲みつつ美味い付き出しを味わい、手元の手書きメニューを眺めて軽く驚いた。値段が一切書かれていない!

でも、そんなに高い店じゃないと友人は言っていたし、懐に諭吉と一葉さんが1枚ずつあるので大丈夫……と、板長オススメの「メイタカレイ(目板)」の刺身を頼んだら、また“じぇじぇ!”。「では、これを」と足元の生簀からデカくてピチピチのメイタを取り出し見せてくれたと思ったら、それが一枚まるごと捌かれて目の前に出てきた。もちろん激ウマだったが、俄かに懐の不安度はアップ。以降“肴は控え目”を念頭に置きつつ明石の酒「来楽(らいらく)」をコップで1杯、2杯……さすがに何か食べたくなって、量も値段も予想がつきやすい「鯛の白子ポン酢」&野菜の天ぷらをオーダー。ところが、大鉢で出てきた「白子ポン酢」は牛乳プリン(3個分)と見まがうようなビジュアルで、またまたじぇじぇじぇ!(確かに絶品だったが、多すぎ栄!)

一気に高まる“懐の不安”を酒の酔いで抑えながら数十分、2品と一緒に、ソムリエの資格を持つ板長との会話の流れで頼んでしまったワインも飲み干し、「今でしょ!」とばかりに、「お勘定お願いします」と一言。女将の「あら、ご飯はよろしいの?」の声に、少し心は揺らいだが「いやいや、もう十分いただきました。ご馳走様」と“鯛めし”の未練を断ち切って店を出た。お勘定、〆て諭吉1枚(おつり30円)。

翌日は、朝一番でとある企業の本社を訪ね、社長さんにインタビュー取材(雑談も交えて1時間余り)。その後、駅に戻り、構内で手に入れた「明石観光ガイドブック」をパラパラ……展望室から明石海峡大橋や明石の街が一望できるという「明石天文科学館」へ向かった。

歩いて15分。入館料700円を払い、2階3階の展示室を軽く見まわし14階の展望室へ。
子午線の真上に立って眺める大パノラマは、まさに絶景。椅子に座りながら30分ほど、何思うでもなく“時のまち明石”を見渡しながら味わう短い旅の心地よい時間……

帰りは科学館から歩いてすぐの「人丸駅」から電車で一駅、「明石駅」にリターン。“仕事後の楽しみ”にしていた「魚の棚商店街」に直行し、お土産品を物色……約100店舗が軒を連ねる“明石の台所”には瀬戸内の海の幸が所狭しと並んでいて、どの店で何を買うか、目移りして分からなくなるほど。とりあえず、声をかけられたオジサンの店でデカいタコの串揚げと海老ぎっしりのかき揚げを買いブラブラ(串揚げ300円、かき揚げは驚嘆の150円)。その後いくつかの店で、ウニ1箱(1600円!)、煮ダコ、名物のイカナゴのくぎ煮などを買い漁り、昼過ぎに明石駅を後にした。

以上、仕事ついでのリフレッシュ。たまの出張はたまらん、という話。(5月半ばにも、別件で岐阜出張あり。仕事的にはハードでも、楽しい時間が待っている…はず)

みなさん、楽しいゴールデンウイークを!



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