世界中で驚異的な大ヒットを記録している映画『ボヘミアン・ラプソディ』(ブライアン・シンガー監督、2018年)を鑑賞。(小屋は隣駅のTジョイ)
観る前から、友人の絶賛コメントや「映画が始まって5分で泣いた!」という巷の熱い声などを耳にし、そこそこ期待はしていたのだが、聞きしに勝るとはまさにこの作品のこと。クイーンのファンでもない私が、あっという間に彼らの世界に引き込まれ、気がついた時にはすっかり(映画の中の)クイーン(というかフレディ・マーキュリー)の魅力の虜……
特にラスト21分(正確には13分30秒とのことだが)は、クイーンのファンであろうがなかろうが胸アツ必至。とてもハンカチorティッシュなしではいられない、本年度一番の感動作だった。
特にラスト21分(正確には13分30秒とのことだが)は、クイーンのファンであろうがなかろうが胸アツ必至。とてもハンカチorティッシュなしではいられない、本年度一番の感動作だった。
(その日以来、「ママー、うーううう~♪」という伸びやかなフレディの声が絶えず頭の中を流れているような……音楽&映像の力はつくづく凄いと思う)
12月8日(土)
朝、TBSの「サタデー・ジャーナル」の中で示された〈18歳~29歳男性の内閣支持率73.1%〉という数字に愕然、同時に流れた街の若者たちの声に唖然。
「総理歴が結構長い。信頼できるかな」「アベマリオがやっぱ印象強いんで、面白くていい人なんじゃないかな」「安倍さんしかいないので、安倍さんに頑張ってほしい」
……正直、怒りも落胆もなく、ただ力が抜けてしまった。この日本にどんな未来がくるのだろう。
12月10日(月)
寒い一日。友人が送ってくれたクイーンのCDを聴きながら、夭折した歌人・萩原慎一郎の歌集『滑走路』を読む。
朝が来た こんなぼくにもやってきた 太陽を眼に焼きつけながら
今日願い明日も願いあさっても願い未来は変わってゆくさ
今日という日もまた栞 読みさしの人生という書物にすれば
未来とは手に入れるもの 自転車と短歌とロックンロールを愛して
屋上で珈琲を飲む かろうじておれにも職がある現在は
ぼくも非正規きみも非正規秋がきて牛丼屋にて牛丼食べる
箱詰めの社会の底で潰された蜜柑のごとき若者がいる
シュレッダーのごみ捨てにゆく シュレッダーのごみは誰かが捨てねばならず
曇天にメスを入れたし開きたし暗い未来を取り除かんと
湯槽にてしばし忘れるいやなこと「あしたはきっといいことあるさ」
叩け、叩け、吾がキーボード。放り出せ、悲しみ全部。放り出せ、歌。
コピー用紙補充しながらこのままで終わるわけにはいかぬ人生
夜明けとはぼくにとっては残酷だ 朝になったら下っ端だから
頭を下げて頭を下げて牛丼を食べて頭を下げて暮れゆく
かっこよくなりたい きみに愛されるようになりたい だから歌詠む
どれだけ頑張っても、どれだけ耐えても、どれだけ思いを尽くしても報われることのなかった32年の人生。誠実に懸命に生きたその姿が三十一文字の声となって胸に突き刺さる。
短歌は彼のただ一つの希望、生きる(生きた)ことのすべて……自ら命を絶ったその日も、いつもと変わらず歌を作っていたという。
短歌は彼のただ一つの希望、生きる(生きた)ことのすべて……自ら命を絶ったその日も、いつもと変わらず歌を作っていたという。
あらゆる悲劇咀嚼しながら生きてきた いつか幸せになれると信じて
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