10月1日(土)
午前中は池袋へ。西武のロフトで封筒、ノートなどをまとめ買い。その後、地下の三省堂で本を物色、ジンバブエ出身の作家ノヴァイオレット・ブラワヨの長編『あたらしい名前』(早川書房)を購入。午後は、大泉学園のTジョイでクリント・イーストウッドの新作『ハドソン川の奇跡』を鑑賞……
2009年、ニューヨークで起きた「USエアウェイズ1549便不時着水事故」(奇跡的な生還劇として世界に広く報道された)を、当事者であるチェズレイ・サレンバーガー機長の手記をもとに映画化した作品で、イーストウッドにとっては『J・エドガー』『ジャージー・ボーイズ』『アメリカン・スナイパー』に続く、ここ数年の“実録もの”の一作。
2010年公開の『ヒア・アフター』以来、純然たるフィクションを撮っていないのは大ファンの一人として少し淋しい気もするが、私も大好きな名作『グラン・トリノ』(2008年製作)で“撮るべきものは撮りきった”という思いがあるのかもしれない。
それ故、今のイーストウッドは自身のキャリアを深めることより、愛する母国アメリカの理想と希望を見つめ探ることを使命として、映画を撮り続けているように見える。
国家・国民への信頼と、アメリカの夢と誇りを取り戻す作業とでも言おうか……96分の濃密な物語にも、イーストウッドが描き続ける社会の現実、その光と闇が色濃く映し出されていた。
(トム・ハンクスもさすがの名演)
ちなみに間近に迫ったアメリカ大統領選……彼は、トランプもヒラリーも支持しないとした上で、
トランプに投票すると表明したらしい。御年86歳の名匠が見つめるその心の闇も深そうだ。
10月3日(月)
「吉田拓郎LIVE 2016」を観に東京国際フォーラムへ。
長きに渡る拓郎ファンのツレのお供という感じだが、そこは同世代、私にも拓郎を好んで聴いていた時期はある。
十九、二十歳の頃、街中で頻繁に流れていた音楽と言えば、ビートルズと吉田拓郎……特に目的もなく吉祥寺の街を徘徊していた私は、レコード店やパチンコ屋から聴こえてくる拓郎の歌に、ちょっと物悲しい青春を重ねていたものだ。
当時好きだったのは『青春の詩』(♪ああそれが青春)、『ペニーレインでバーボンを』、そしてモップスも歌っていた『たどり着いたらいつも雨降り』などだが、20代半ばを過ぎたあたりから、たまに『シンシア』を口ずさむくらいで、拓郎の歌を聴くことも歌うことも、ほとんどなくなってしまった。
そんな昔を思い出しながらの「LIVE 2016」……開演は18時半。「春だったね」の熱唱から始まり、『落陽』まで一気に4曲。拓郎の若々しい張りのある声が、会場に響き渡った。
(既に70歳……こんなに声が若いとは思わなかったので、正直、驚いた)
その後、15曲目の『全部抱きしめて』まで、比較的新しい曲(かつ流行歌っぽい曲)が流れたが、あまり好みではないのでノリ切れず個人的に中弛み。(特に『朝陽がサン』というタイトルからして能天気な歌がダメ)
途中で入るMCも、ウケ狙いだろうが、モロ年寄りじみていてちっとも面白くなかった。
でも、ラスト7曲目『海を泳ぐ男』から最後のアンコール曲『人生を語らず』まで、かつて好きだった拓郎節が復活し、気分回復&集中力アップ。
20時半、すべてを歌い終わり観客に向かって深々と頭を下げる吉田拓郎に、大きな拍手を送って会場を後にした。
以下、当日のセットリスト。
01.春だったね/02.やせっぽちのブルース/03.マークⅡ/04.落陽
05.アゲイン/06.朝陽がサン/07.消えていくもの/08.唇をかみしめて
09.ジャスト・ア・RONIN/10.ぼくのあたらしい歌/11.いつでも/12.君のスピードで
13.白夜/14.旅の宿/15.全部だきしめて/16.いくつになっても happy birthday
17.海を泳ぐ男/18.僕たちはそうして生きてきた/19.流星
アンコール
20.ある雨の日の情景/21.Woo Baby/22.悲しいのは/23.人生を語らず
※4日~6日はバイト&仕事。友人がホームページ制作絡みの仕事を紹介してくれたお陰で、本業の方も俄かに慌ただしくなってきた。とりあえず16日~17日は久しぶりの出張打合せ。来週はそのための資料収集及び検討・分析等で身動き取れない感じ……(本当はバイトも休みたいのだが、シフト勤務だけに簡単に休めないのが困る)