2015/10/16

浮かない休日…猫と戯れ、本を読む。



予期せぬバイト上のトラブルもあり、ここ4、5日、気分がパッとしない。

(どんなトラブルかというと……仕事中、チェーンロックをかけずに止まっていたバイクを動かそうと持ち上げた瞬間、つかんだ場所が悪く座席の後ろにあるバックライトカバー?を壊してしまった。
不正駐車とはいえ、バイクの扱いに不慣れな自分に非があるのは明白。すぐに“激おこ”の所有者に謝罪し「弁償(修理費)」を約束して会社に連絡。所有者には修理の見積りを会社宛に送ってもらうことで了承してもらい、後は、トラブル時の状況説明と写真を家のパソコンから会社に送り、所有者の女性との交渉を会社と保険会社に委ねた次第。
つい先日も、同僚のNさんが新品の高級自転車を傷付けてトラブルになったばかりで、いずれも不正駐輪・駐車に対応している中でのアクシデント……もちろん、ルールを守らない利用者が一番の問題だが、トラブル処理も含めてすべて下請け会社の整理員任せでルールの徹底を図らない大手管理会社にも問題あり。目立つ場所に“チェーンロック厳守”の警告看板を立てるなど、何らかの対策を講じてほしいものだ)

お陰で、映画を観に出かけるどころか、近くのTUTAYAにさえ行く気にならない。

無類の映画好きが映画を観る気も起きないのだから、コレは軽いウツなのか?とも思ったが、パンフレットの校正&印刷手配など本業の仕切りは抜かりなく、食欲も酒欲も健在……やはり、いつも通り季節の変わり目に引きやすい「心の風邪」なのだろう。

そんな主の「軽い風邪」を知ってか知らずか、わが家に来て丁度3年目になる愛猫ジャックがちょくちょく部屋に顔を出し、「かまってくれよ~」的に、足の当たりをスリスリしてくる。

大した用事もないし、気も紛れるので、束の間、ヤツと戯れる……

まっすぐ私を見上げる時のジャックは、つぶらな瞳のイケメンなのだが、気持ちよさそうに目をつむると、重盛の人形焼みたいな顔になる。それが可笑しくて、「ホント面白いヤツだよなあ、お前は」と頭を撫でてつぶやくと、また薄目を開けて「ニャ~」……

そうこうしているうちに、少し気分も回復(猫はソファで丸くなり)、先日ueちゃんが送ってくれた坂口恭平の日記本『幸福な絶望』をパラパラとめくって読んだ。

躁鬱を繰り返す彼のウツは、すぐ直るようなヤワな「風邪」ではなく、創作活動の源で生じる「自然現象」のようなものと認識しているらしい。

《止まることも仕事なのかもしれない。とてもきついけど。少しだけ言葉が出てきているが、同時に、言葉なんか出てこなくてもいいのかもしれないとすら思った。それよりも、記憶そのものをどうにか蓄積していけばいいのだ。そのときにしか考えられないものを、そのときに感じた全てのことを、そのときにできることで、自分にできることで、奇をてらわずに、ただひたすらに残していけばいいのだ》

《忘れるから、書くのである。忘れたくないから書くのである。心地よい瞬間があったことを、忘れないために書くのである。なぜなら、僕は体で記憶することができないからだ。日々、自動的に刷新され、全く別人になってしまう。それでも僕という体は今も続いている。それを時々、思い出せるように。だから書いていこう。名作を作り上げるために書くのではないのだ。現実からみれば連続しているように見えない、僕の、僕にとっての、独自の連続体を、見つけるために書くのだ。僕は、その分裂の中の連続を、冒険しているのだろう》

その葛藤から生まれる素直な言葉が、ヤワな私の胸に沁みた。

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