先日(17日)、第146回芥川賞・直木賞が決定した。
例年、この機会に受賞作くらいは読んでおこうかな……と、直木賞作品は度々購読するのだが、芥川賞となると10年ほど前に『蛇にピアス』を読んで以来、とんと“ご無沙汰”。別に、石原慎太郎が審査員をやっているような文学賞が、「純文学」の質を保証するものでもないし、今回も普通にスルーするつもりでいたが、18日の朝刊の“ひと”欄を読み気分が変わった。
その“ひと”は、芥川賞を『共喰い』で受賞した作家「田中慎弥・39歳」。
下関の工業高校を卒業後、ずっとニート状態で母親と二人暮らし。携帯もパソコンも持たず、20歳の時から一日も休まずに2Bの鉛筆で小説を書き続けてきたという。「生きるために、毎日書いている」と語る言葉に、自分の存在と精神だけを問い続けた人生の厳しさと、“蓄積した言葉をあふれ出す”ためだけに生きようとする作家のひたむきな覚悟を感じ、心惹かれた。書けなくなったら? という質問に「それでも書く」と答えたそうだ。その意気や潔し!
記事を読んだ後で、彼の記者会見をYou Tubeで見た。
不機嫌そうな表情から発せられる辛辣でウィットに富んだコメント……ますます興味&購読意欲が湧いてきた。
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