天童荒太の小説『ペインレス』に出てくる「体の痛みを失った青年(切られても、刺されても、打たれても、何ら痛みを感じない男)」も、生命の危機を察知できないという意味で甚だ厄介な存在だと思うが、日々痛みを感じる体を持っているというのも、それはそれで困ったものだと思う。
何の話かというと、10月頭に「頸椎症」と診断された私の首・肩・腕の件。駅前のペインクリニックに通い始めて早1ヶ月になる。(そういえば、『ペインレス』の主人公・野宮万浬もペインクリニックの医師だった)
現在、治療(週2回→1回の硬膜外ブロック注射、その間に神経根ブロック注射1回)により発症当初の激しい痛みは感じなくなったものの、未だ右肩から腕にかけて薄い鉛板が入っているような重だるさは消えず、鈍い痛みに襲われることも度々。(ショルダーバックを下げて遠出したり、右手で重い物を持ったりすると痛みが増すこともあり、ちょっとした買物や料理にも余計な気を遣わざるを得ない…という少し煩わしい日々を送っていた)
その“鈍い痛み”と嵩む治療費(1回のブロック注射で約5000円)のせいで、ここ数週間は気分的にもスッキリせず、持ち前?の好奇心も、人並み?の思考力も低下気味。
TVドラマ(「リーガルV」「僕とシッポと神楽坂」「フェイクニュース」「大恋愛」「今日から俺は」等)や「サンドイッチマン」のコント動画、「せやろがいおじさん」の新作等で気を紛らわす程度で、映画も本もとんとご無沙汰……何事にも集中力を保つのが難しく、ブログもだいぶ滞ってしまった。
(シャルル・アズナブールの死。「全員野球」ならぬ全員“ライト”の第4次安倍改造内閣。昔の仲間11名との「貝掛温泉」お泊り飲み会。安田純平さんの解放。ポール・マッカートニーのニュー・アルバム『エジプト・ステーション』。9月中に読んだ小説『宝島』、『彼女は頭が悪いから』、『ぼくがきみを殺すまで』の感想など、書き留めたいことは多々あったが)
というわけで、あまりパッとしない10月だったが、ここ3、4日はブロック注射効果の現れだろうか、肩・腕の具合も良く、少しずつ以前の体に戻ってきた感じ。
必然、気分向上。行動意欲も湧いてきて、一昨日(31日)は新宿で映画2本をハシゴ(「シネマート新宿」で『1987、ある闘いの真実』を観た後、「K’s cinema」に直行し『まぼろしの市街戦』を鑑賞)……お陰で帰りの電車内で肩と腕に軽い痛みが出てしまったが、極上の作品をダブルで観た満足感からか、「なんくるないさー」と前向きな気持ちにもなれた。(その日は夕食後に、シネフィルWOWOWで至高の名作『スモーク』まで観ることができ、超ひさしぶりの“映画三昧”)
あの美智子妃も苦しまれているらしい「頸椎症」とは長期戦になりそうだが(原因がハッキリしているので、焦らず、気長に付き合うだけ)、11月は「3泊4日の韓国旅行」(ツレと義姉との3人旅)など、楽しみな予定も控えており、何とか「心機一転!」といきたいところ。
で、明日は、神奈川近代文学館で開催中の特別展「寺山修司展 ひとりぼっちのあなたに」を観に行くつもり。(ブログもボチボチやっていきます)
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