2017/06/28

出張の友は「司馬遼太郎入門書」



2627日は、「リクルート用映像制作」のプレゼン及び撮影ロケハンのため先月に続き再び「明石」へ。(今回は、20年来の盟友JINさん、映像プロデューサーのHさん、ディレクターのKさんを引き連れ4人での訪問。当然、3人とも10歳以上年下)

26日夜は、明石の海の幸を堪能できる小料理店「一とく」でJINさんと一杯。(〆の鯛茶が美味かった!)
翌日11時からのプレゼンは期待以上のリアクションで「高評価」。クライアントには3つの映像プランを提出したのだが(8案ほどの中から独断で選んだ3案)、中でも私の一押し、吉祥寺を拠点に活躍するイラストレーター「キン・シオタニ」氏のイラストをベースにした紙芝居っぽい展開案が最も気に入られた感じ。(ポップで独創的。出来上がりが想像しやすく、クライアントの社風にも合っている)

その後、4人で工場2ヶ所を見学して「西明石」1620分発の「ひかり」に乗り込み帰路に就いた。(途中、新大阪で「のぞみ」に乗換え、隣席のJINさんとビールで乾杯「お疲れ様」。品川に着いたのは19時過ぎ)

さて、そんな「明石出張」だったが、“出張の友”として持参した読みかけの『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』(磯田道史/NHK出版)を行きの車中で読了。その感想をサクッと……

20歳そこそこで読んだ『竜馬がゆく』以外に、司馬さんの歴史小説を読んだことのない自分にとって、この本は「司馬遼太郎入門書」のようなもの。
「(司馬遼太郎は)作家であると同時に、歴史について調べ、深く考えるという意味において歴史家でもあった」「しかし、ただの歴史小説家ではなく、“歴史をつくる歴史家”だった」と評する“導き手”磯田道史氏の力を借りて、司馬さんが作品を通じて何を描きたかったのかが、遅まきながら少し理解できた気がする。

その本の中で、特に興味深かったのが≪「鬼胎の時代」の謎に迫る≫と題された第4章。
日本史の連続性から切断された時代という意味で、日露戦争の勝利から太平洋戦争の敗戦に至る40年間を指して、司馬さんは「鬼胎(異胎)の時代」と言っているのだが(「鬼胎(鬼っこ)」は、無謀な戦争に突入し敗戦を導いた昭和初期のこと)、なぜそのような「鬼胎の時代」が生まれたのか、磯田氏によると「その背景にはナショナリズムの暴走があると司馬さんはとらえていた」ようだ。その点について、彼は「ナショナリズムとパトリオティズム」という小見出しのついた一節で分かりやすく解説している。

≪ナショナリズムという言葉は、一般には国家主義と訳されるものですが、司馬さんは、お国自慢や村自慢、お家自慢、自分自慢につながるもので、あまり上等な感情ではないと思っていたようです。一方で、ナショナリズムと混同されやすい概念にパトリオティズム(愛国主義)がありますが、司馬さんは、愛国心と愛国者というものは、もっと高い次元のものだと考えていました。
ナショナリズムとパトリオティズムの違いについては、お家自慢のたとえで考えてみるとよくわかります。たとえば、ある地域社会で、自分はよい家に生まれたのだといって誇りに思っている人がいます。その人が家柄を自慢し、他の家を馬鹿にする。何ら自分の努力で手に入れたわけではなく、ただその家に生まれただけなのに他人を見下していると、自分は金持ちなのだから、貧乏人を従えて当然だという考えに陥っていきます。自分がかわいいという感情が、自分の家がかわいいと変形したにすぎず、その「自分がかわいい」を「自分の国がかわいい」と国家レベルまで拡大したものがナショナリズムだというわけです。
対して、「いや、自分はたまたま名家に生まれついたのだから、一層きっちりして、さらに周りから尊敬される良い家にしよう」と考える人もいます。これは言わば「愛家心」ですが、この感情を国家レベルでおこなうのが、司馬さんの言う「愛国心」に近いと思います。自分の家をよくするだけではなく、周りの人たちのお世話までできる家にする――その高い次元の、真の愛国心を持った人が支配層にいる間はまだしも、そうではなくなってきたときに国は誤りをおかします。そんな姿を司馬さんは活写しています。≫

ここ数年、テレビでもネットでも排他的な感情を伴う「ニッポン、すごいですね~」的な自画自賛が矢鱈と目につく日本。それは多分、司馬さんが捉えていた「鬼胎の時代」初期のナショナリズムと同根・同質のもの――隣国などの他者を貶めて優越感を感じる「歪んだ大衆エネルギー」を孕みながら、いつの間にか“「お国自慢」の暴走”によって切断され、定着しないままに踏みにじられようとしている戦後民主主義の危機的姿なのかもしれない。
(ちなみに、司馬さんが作品を通じて描きたかったリーダー像は「国を誤らせない。集団を誤らせない。個人を不幸にしない、ということに尽きる」と、磯田氏は述べている)

 

2017/06/24

ワイドショー&時事・雑感



「この、ハゲーーーっ」と、突然テレビから聞こえてきた女性代議士の怒声。その暴言の数々に、駐輪場で働いている時に出会った“モンスター”の罵詈雑言がオーバーラップし、朝から、気分が悪かった昨日。
(ストレスが溜まるのは男も女も同じだろうが、どうして世の中、キレると言うか、男女を問わず暴力的な人が増えているのだろう。それも安倍政権になってから急激に……というのは思い過ごしだろうか)

絶叫音声の主、自民党衆議院議員・豊田真由子氏の座右の銘は「艱難汝を玉にす」とか……えっ、なんの冗談?と問いただしたくなるが、とりあえず彼女が政治家として成長する道は閉ざされたようだ。今後は議員としての説明責任を果たした上で犯した罪を償い、永田町とは別の場所で自ら艱難辛苦を味わい成長してほしいと思う。
(午後はどのチャンネルも海老蔵オンリー。麻央さんの最後の言葉「愛してる」の文字が何度も画面に……多くの共感を呼ぶ健気で素敵な二人だとは思うが、テレビによる「愛」の盛り上げ方に違和感)

さて、「特定秘密保護法」を皮切りに「安保法制」「共謀罪」法案等々、散々(数の)暴力を振るった後に、いきなり謝る振りをして選挙民のご機嫌伺い……という典型的なDV加害者のような安倍政権絡みの話。

この間、家にいる日が多く、テレビのワイドショー番組(「ミヤネ屋」以外)やニュース番組をよく見るのだが、まず「この人に解説や発言をする資格があるのだろうか?」と疑問に思う政治評論家&タレント・芸人の多さにびっくり。その筆頭は、ワイドショーに引っ張りだこの御用ジャーナリスト・田崎史郎。「共謀罪」にしろ「森友」&「加計問題」にしろ、なりふりかまわず必死の政権擁護といった体で、その痛々しいまでの孤軍奮闘ぶりは、思わず笑っちゃうほどの浅ましさ。(以前は、もう一人の安倍お抱え記者・山口敬之も頻繁にテレビに出て田崎と同調しつつ露出度を競っていたようだが、「準強姦疑惑」で現在ひきこもり中)

ワイドショー自体、情報番組というよりバラエティ色が強いものだとは思うが、政治的な問題を取り扱う以上、放送メディアとしての中立性・客観性・批判性が求められるはず。「組織活動費」の名目で自民党から金をもらっているような人間を「政治評論家」として重用していたのでは、番組自体が政権支持率維持の片棒を担いでいると思われても仕方ない。
(まあ、現にそうなのかもしれないが……その中で、割とイイ感じなのは「グッディ」の安藤優子・高橋克実コンビ。特に、俳優・高橋克実のセンスは買い! で、度し難いのは共謀罪「いいんじゃないの」&「冤罪が多少あってもプラスになる」発言の松っちゃんこと松本人志。やはり野に置け蓮華草……ということか)

逆に、「この人の解説や発言はちゃんと聞いて、胸に留めておこう」と思えるのは憲法学者・木村草太氏と評論家・荻上チキ氏。(そして、今の日本に稀有な“怒れるジャーナリスト”、サンデーモーニング等のコメンテーター・岸井さん)

「テロ対策」とは何の関係もない「共謀罪」法案を、「テロ等準備罪」などと政府宣伝そのままに言い換え、「テロの危険と監視社会のどっちを選ぶ」的な間違った論点の形成へと国民をミスリードしたNHKのようなメディア&コメンテーターが多い中、木村さんは「本当の論点というのは、テロ対策という政府の嘘を許すかどうかという論点で、この論点であればもう結論は明らかであるわけですね」と述べ、「テロ対策だからこの法律に賛成したというふうな有識者の方は、ぜひ、本当に自分が発言する資格があったのかどうか、きちんと考えてほしいと思いますね」とまで言ってのけた。
荻上さんも「加計学園問題」に関して、国会討論などを逐一冷静に紹介・分析し、客観的に問題点を整理しラジオ等で発信している。
(木村さんも荻上さんも30代だが、こういう若手の知識人や評論家がいる日本。まだまだ捨てたものではない)

で、その「加計問題」だが、「岩盤規制を壊すため」などという官邸側の抗弁は只の言い逃れ。何より政権内に「腹心の友」をはじめ客員教授や系列大学の学長など、利害関係者が多すぎる(多すぎた)のが一番の問題と思っていたのだが、それに関しても木村さんは問題の核心を鋭く端的に突いていた。

「仮に今回、官邸から明確な指示がなかったことが明らかになったとしても首相と仲の良い人だから優遇しようと官僚が考えたのであれば、憲法第14条第1項が適用され、平等原則に反する。特区制度は岩盤規制を壊すものだから首相のリーダーシップがあってもいい、というような意見もあったが、大学の認可というのは誰もが自由に参入できるようにして自由競争ができるようにしようというものではなくて、大学と云うのは学位を与えたり補助金を受けたり特権を与えられる存在である。だからそのための責任も伴うし、その場合首相と親しい人だから特権の仲間入りを認めると言うのは、たとえ首相の指示がなくてもワイロをもらっていなくても憲法に定める平等の原則に反すると言われても仕方がない」
「獣医学部の増設がどうしても必要であったということ。そして、加計学園がもっとも相応しかったというこの二つを示す客観的な情報がない限りは、中立公正であるべき行政が歪められたと言われても仕方がないわけで、政府は今回「言った・言わない」という説明責任を果たすとともに、加計学園を選ぶだけの合理的理由があったのだということをきちんと説明するべき。それが出来ないのであれば不正の責任をきちんと取ってほしいと思う」

というわけで、個人的には都民ファーストVS自民党の都議選より、こっちの方が大事。今後の成り行きを注視したいと思う。(さっさと出てこい、萩生田!)

※今夜は、高校時代の部活仲間4人で飲み会。場所はいつもの新宿「鼎」。

 

2017/06/14

6月初旬のメモ②



7日(撮影&温泉宿)
制作中の施設案内パンフ用の写真撮影のため「秩父」へ。9時にカメラマンのN君と西武秩父駅前で待ち合わせ、彼の車で最初の現場「特別養護老人ホームA苑」に向かった。

撮影開始10時。「A苑」を皮切りにグループホーム、ケアホーム、デイサービスセンターなど3ヵ所を廻り16時過ぎに1日目の撮影が終了。N君に車で送ってもらい宿泊先「新木鉱泉」へ。

ロケの仕事で温泉宿に泊まるつもりはなかったが、どういうわけか駅周辺のビジネスホテルがすべて満室(登山・ハイキングブームの影響で今や秩父も大人気……N君によると「夜の星と朝の三峰神社からの雲海」を目玉にしたツアーが大人気とのこと)。仕方なく素泊まり1万円と少し高めだが撮影場所へのアクセスが良いココに決めた次第。

その「新木鉱泉」の露天風呂(風呂のレベルは高い)で、日帰り入浴中の地元の人と軽く会話を交わしつつ仕事の疲れを癒し、メシも喰わずサッカー(日本VSシリア)を見ながら2日目のカメラマンS君が来るのを待っていたのだが、携帯に「道路渋滞により宿への到着が大分遅れそうです」とのメールあり。

結局、彼が着いたのは21時過ぎ。途中、セブンイレブンで買ってきてもらった二人分の弁当とビールで軽く「前夜祭」……11時過ぎ就寝。

8日(撮影終了)
7時過ぎに宿を出発、大滝村へ。現場到着8時、即、撮影開始。最初のカットはスタッフと利用者による「食事介助風景」、双方の笑顔が気持ちよくカメラに収まった。

それから2時間半ほどで撮影を終え、両神村にある施設へ移動。居室、浴室、食事風景、レク風景などなど、1時間の休憩を挟みながら14時半頃すべての撮影が終了。1525分発のレッドアローで帰路に就く。(利用者の方々の穏やかな笑顔に救われた一日。積極的にコミュニケーションをとりながら自然で楽しげな表情を引き出してくれたS君にも感謝。良い写真がたくさん撮れたように思う)

9日(メール殺到&森ゆうこ)
仕事関係のメールが殺到。終日、対応に追われる。

その合間、見ていたテレビから流れた映像に気分スッキリ大拍手……8日の「加計学園問題」参院農水委員会における自由党・森ゆうこ議員の質疑シーンだが、怒り炸裂、その舌鋒たるや“虎の威を借る小役人”藤原内閣審議官も“似非ヤンキー文科副大臣”義家弘介も一撃KOの鋭さ、凄まじさ。(久しぶりに見た、闘士の勇姿)

先の参院選(2016年)、三宅洋平が落選したのは残念だったが、同じ無所属(野党統一候補)として新潟県選挙区で立候補した「森ゆうこ」が当選して本当に良かったと改めて思う。(次の選挙、個人的には駐輪場で何度か言葉を交わした元衆議院議員・末松氏を応援するつもりだったが、山本太郎と森ゆうこがいる「自由党」が一押しかも……)

夜はTBS「リバース」、NHK「ドキュメント72時間 住宅街の巨大モスク」を観た後、就寝。

10日(写真チェック)
午前中は家事・雑事。午後はS君から送られてきた写真データをチェック。期待通りのクオリティで、デザイナーのフェアリーも「いい写真だらけでテンションあがります!」と大満足のご様子……20年近くの間に「特別養護老人ホーム」など社会福祉法人関連のパンフレットを数多く作ってきたが、恐らくこれが私の手掛ける最後の「施設案内」。最後にして最良のものが出来そうな気がする。

11日(悩めるお仕事)
前夜遅く、デザイナーのUEちゃんから「ご相談したい事が出てきまして…」とのメールあり。午後1時前に「上井草」駅前の喫茶店で待ち合わせ&打合せ。(MIYUKIさんを交え、3人でランチ・ミーティング)

相談の内容は、とあるNPO法人から「作文集のような冊子を作りたい」旨の依頼があり、その文章チェック、監修などをヘルプしてもらえないかというもの。

で、そのNPOの取組みや「作文集」の制作目的などを尋ね、私が手伝えるかどうかを考えたわけだが……その任にあらず。「多分、気持ちの良い仕事にはならない」という直感も働き、コピーライターとして積極的に関わるべき類のものではないと判断「俺はやりたくないし、できないよ」と明確に辞退。UEちゃんにも「ウエの手に負えるものでもないし、関わらない方がいいと思うよ」「自費出版とか文集制作のノウハウがある出版社か印刷会社に任せた方がいいんじゃない?」と早目に撤退することを勧めた。同席したMIYUKIさんも同意見。
結果、UEちゃんも撤退の意思を固めたようで、最後は苦悩の表情が笑顔に変わり、元気にバイバイ。
(翌日、「おかげさまでやっと気が楽になりました」というメールあり。アドバイス通りNPO側に印刷会社を紹介、「そうね。印刷会社に頼んだ方がいいかもね、値段も安いし」と労い口調で言われ、無事に撤退できたとのこと)

※昨夜のイラク戦……37度という猛暑の中、負傷者続出。吉田と川島の連携ミスで失点し、1:1引分けという残念な結果に終わったが、次のオーストラリア戦(831日)に勝てばいいんです!

2017/06/13

6月初旬のメモ①



62日(爆買い)
カメラマンのS君との撮影打合せがあり、彼の事務所がある「明治神宮前」へ出かけた。

神宮前と聞くと今でもさほど賑やかなイメージは持てないが、街としては原宿・表参道と一体。10年ぶりに歩くファッションの街は、若者たちと異文化の人たち(外国人観光客のあまりの多さに驚いた)が醸し出すカラフルでポップな色彩に溢れていた。

そんな雑踏の持つエネルギーに刺激されたせいだろうか、妙に気分が高揚し(おまけに財布の紐まで緩み)、打合せの帰りに立ち寄った池袋西武の三省堂で久しぶりのまとめ買い。30分ほど物色しながら気分のままに以下の9冊を選んだ。

『騎手の一分 競馬界の真実』(藤田伸二/講談社現代新書)
『死をポケットに入れて』(チャールズ・ブコウスキー/中川五郎訳/河出書房新社)
『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』(磯田道史/NHK出版新書)
『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』(J.D.ヴァンス/光文社)
『極道記者』(塩崎利雄/文芸社文庫)
『労基署は見ている』(原諭/日経プレミアシリーズ)
『「天皇機関説」事件』(山崎雅弘/集英社新書)
『離陸』(絲山秋子/文藝春秋)
『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』(渡邉格/講談社文庫)

まあ、本の「爆買い」はストレス発散のようなもの。なので、2週間も経てば読みたい気分が薄れるかも知れないし、すべて読み切れるかは分からない。(とりあえず『労基署は見ている』『騎手の一分』『死をポケットに入れて』は読了。実に興味深く、楽しく読み終えたが、残りの6冊は未だ手つかず)

4日(喝っ!)
毎週見ているTBS「サンデーモーニング」。そのスポーツコーナーで、またもやハリさん(張本勲氏)問題発言。(大して興味がないなら、サッカーの話はしなくていいのに……)

61日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦、浦和レッズと済州ユナイテッド(韓国)の第2戦で済州の選手およびスタッフによる前代未聞の蛮行があったわけだが、「サッカーへの恥辱」と韓国メディア「ザ・コリア・タイムズ」英語版でも断罪されたその暴力行為を咎めることなく、済州の監督の「(試合後の暴力行為は)浦和の選手がわれわれのベンチ前に来て刺激するようなセレモニーをしたため。負ける者のマナーもあれば、勝利する者にもマナーが必要」という言いがかりのような談話を鵜呑みにして、「浦和は勝っているから、遅らす(時間稼ぎ)のはありがちなことだけど、その態度がよくない。韓国の選手が『なんだ』と思うような態度を取ったらいけない」「ガッツポーズしたり、おまえをやっつけたんだという態度を取っちゃだめ」と、まるで暴力行為を受けた浦和の勝利後のパフォーマンスに一番の問題があるとでも言うような解せないコメントを発した。(おまけに筋違いの「日本人論」を展開し、一人ナットクの表情で話を収めたが、スタジオ内は微妙な雰囲気に)

私自身、何度も試合のハイライト&一連の行為の場面をYou Tubeなどで観ているが、ホームゲームで勝利したチームが喜びを爆発させるのは「礼儀正しい民族」であろうがなかろうが、サッカーにおいてはごく普通の事。「差別発言」「差別横断幕」等、とかく問題の多い浦和だが今回に限ってはどう見ても彼らの側に非があったとは思えない。ハリさんは事の成り行きをちゃんと自分の目で確かめた上で発言しているのだろうか?

というわけで、「日本人ファン」であってもサッカーファンではないハリさんに「大喝っ!」なのだが、逆にこの件で「あっぱれ!」をあげたい人もいる。

「済州の選手は若い選手も多いと思うが、そういう選手たちが悔しさの中で感情的になることは十分に理解できる」「私自身は試合が終わった後で何かしらのしこりが残ることは好きではない。今後、何かしら済州と浦和レッズがフレンドリーマッチでもやることによってお互いの良い関係を築いていけたらと思っている」「スポーツというのは友情を築けるものだと思っているし、スポーツで互いにぶつかり合うからこそ、その後に生まれる友情があるのではないかと思う。それがスポーツの良さであり、爽やかさだと思っている」と、和解と理解を求める意向を示した浦和のペトロヴィッチ監督だ。

最近でも「森脇選手による鹿島のレオ・シルバ選手への侮蔑発言」への対応等、抗議の声を浴びせたくなるほどクラブ自体に良い印象はないが、とても良い監督をもったものだと思う。

※今夜9時からはW杯アジア最終予選、アウェーでのイラク戦。勝利あるのみ!(攻撃陣では特に大迫と本田に期待したい)