先週、無事プレゼンが終わり(「頼んで良かった!」と大好評)、少し気が緩んだせいだろうか、さほど忙しくもないのにブログが滞ってしまった。
その間、メディアを賑わせていたのは、本来、敵対関係にあるはずの『日本会議の研究』の著者・菅野完氏(フリージャーナリスト)が籠池氏側のスポークスマンとしてメディアの前に登場したことにより、さらに怪しさを増し、下手なドラマより面白くなってきた「森友学園」。
見た目、胡散臭さが漂う二人が何故結びついたのか?と思うが、「保守の裏切り&とかげの尻尾切り」に反発する籠池氏と「森友問題を通じて、安倍政権&安倍政権を支える政治家(稲田、高市、西田、山谷など)及び大阪維新と極右組織」との繋がりを暴きたい菅野氏の利害が一致したということだろう。(故に、菅野氏の追及姿勢には陰ながら拍手を送りたいが、その発言自体は意図的で客観性に乏しいもの。当然、鵜呑みにはできない)
いよいよ明日23日は籠池氏の証人喚問。どんな爆弾が飛び出してくるのやら……(その前に「共謀罪」法案閣議決定。支離滅裂な国会答弁しかできないのに閣議決定とか、まったくふざけた話だが、事前の世論調査によれば「賛成」が6割超とのこと。これまた日本の淋しい現実)
さて、遅ればせながら映画『愚行録』(監督・石川慶)。
読後にイヤーな後味が残ってしまうミステリー小説のことを「イヤミス」と呼ぶそうだが、この映画の原作もその「イヤミス」。
冒頭のバスシーンから暗くジトッとしたイヤーな感じがスクリーンに漂う。(バス降車後の主人公の演技に、一瞬『ユージュアルサスペクツ』のケヴィン・スペーシーが重なり、ニンマリしつつも背筋がゾクッ)
で、ネタバレなしでどんな物語かと言うと……主人公は1年前に起きた「一家惨殺事件」の真相を追う雑誌記者・田宮武志(妻夫木聡)。彼が事件の関係者(被害者の会社の同僚や大学時代の友人・知人など)を訪ねて行うインタビューを通じて、さまざまな人々の心の闇が浮かび上がるという群像劇。
タイトル通り「愚行」としか言えないエピソードばかりで構成された映画だが、なぜか快感に近い緊張感を伴いながらグイグイ引き込まれてしまうのは、ストーリーの運び方が上手いから。(カメラも音楽も良いし、主人公に妻夫木聡、その妹に満島ひかりを配したキャスティングもグー、というより最早“鉄板”)
聞けば監督は、あのロマン・ポランスキーも出た「ポーランド国立映画大学」出身だとか(ちなみに本作品のカメラもポーランド人)。
というわけで、日本の「イヤミス」映画というより、どことなくヨーロッパの階級社会から滲み出るような虚無と悲観と退廃を感じさせる日本版「フィルム・ノワール」といった感じの作品。後味は決してよくないが、個人的には大満足の一本だった。
※残念ながらWBCはアメリカに負けたが、明日深夜(24日0時30分~)は、サッカー日本代表にとって大事なUAE戦……テレビから離れられない一日になりそうだ。