2015/06/17

ハリルジャパン、予期せぬ船出



昨夜のモヤモヤが抜けきらない朝。

気分直しのつもりで、「なでしこジャパンVSエクアドル」をLIVEで観ていたが、この試合も攻め続ける日本になかなか点が入らず、「なでしこよ、お前もか!」と言いたくなるような予想外の展開。結局、前半5分に大儀見が挙げた1点で勝ったが、4年前の「なでしこ」の勢いは影を潜め、決勝トーナメントに不安を残す内容だった。(前回の「W杯チャンピオン」ということで各国のマークが厳しく、精神的に守りに入っているせいだろうか、プレーから思い切りの良さが失われた気がする)


で、昨夜のモヤモヤに戻って……


ロシアW杯に向けて、ハリルジャパンの船出となるアジア2次予選の大事な初戦「日本VSシンガポール」は、多くのサポーターの予想と期待を裏切り、まさかのスコアレスドロー……3-0勝利のはずが、時間の経過と共にゴールの予感が遠のくだけの歯痒くストレスが溜まるゲームになってしまった。


そして試合後、語られるのは、相も変わらず「決定力不足」と「シュートの精度」。

しかし、「決定力不足」も「シュートの精度」も、日本代表のみならずサッカーにおける普遍的課題のようなもので、練習や試合によって劇的に改善されることなどない。もし、それを少しでも改善しようとするなら、これまで以上に多くのチャンスを作り出すのはもちろん、セットプレーの質的向上を図りながら、決定力のある選手(現時点では岡崎、本田)に、より確実なチャンスを供給するようなチームを作るしかないのでは?と思う。
全員攻撃・全員守備も大事だが、縦に速く攻め続ければ「前線の誰かが点を取ってくれるはず」という発想では、いつまでもたっても変わらない気がする。昨夜の23本の空砲がその証明ではないだろうか。

また、「決定力不足」の改善が難しい以上、戦い方にも「相手の嫌がるプレー」「ゴール近くでファールを誘うプレー」といった一工夫(賢さ&したたかさ)が必要に思える。「自分たちのサッカー」に固執しながら、それが出来ずに敗退したブラジルW杯の経験を活かすなら、持ち前の「スピードと連動性」に加え、世界の強豪国同様「相手を巧みにコントロールするサッカー」も身に着けてほしいものだ。
折角、戦術に長けた素晴らしい監督を迎えたのに、そういう戦い方ができないと、昨夜のように守りを固めたチームから点を奪うのは困難だし、アジア予選を突破してもW杯で勝ち進むことはできない。とにかく、監督が代わっても同じ批判を受けるチームではなく、進化し続ける日本代表が見たい。

ところで、昨夜の試合を見て最も気になったのは、香川の停滞と両サイドバック……特に「縦に速いサッカー」の主軸となるトップ下・香川の停滞は、どうしたことか。ひょっとして香川の感覚と他の選手の感覚がまったく合っていないのでは?と思うほど、香川にパスが入らない。

試合後、香川自身が「もっとボールを引き出したいし、もっとボールを受けたい」と言っていたように、バイタルエリア内での動きのキレとパスワーク&その出し入れで勝負する選手にパスが来なければ、停滞するのは当たり前。その停滞は、パスの受け手としての彼自身の動き出しの問題もあるだろうが、中央に思い切った縦パスを入れられない攻撃陣全体の問題でもあるはず。
この「縦パスのチャレンジ」が積極的になされず、ザックジャパン時から問題視されてきた各駅停車の「横パス多用」に走った時点で、トップ下・香川の存在は必然的に消え、同時に攻撃の迫力も失われてしまった感じだ。多分、体調不良の長友に代わってサイドバックに入った太田と左ウイング宇佐美のコンビネーションが深まらずに攻撃が単発・単調になってしまったことも少なからず「停滞」に影響しているのだろう。香川と他の攻撃陣との意思疎通をさらに深めると共に、機能しなかった両サイドバック(太田と酒井宏樹)の改善にも取り組んでほしい。(というより、現状では長友・内田の両サイドがベスト。なるべく早く内田に戻ってきてほしい…というのが本音)

以上、モヤが二重三重にかかって針路が見えにくくなった「船出」だったが、ハリルホジッチ監督及び代表選手に対する信頼に変わりなし。9月のカンボジア戦からの快進撃に期待したい。
がんばれ、ハリルジャパン!









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