2022/10/31

10月の雑感&メモ②


6日(木)

最近、何かと話題の「ひろゆき」氏が、沖縄・辺野古の基地建設に反対する人たちの座り込み抗議運動を揶揄するかのような言動をしたことで物議を醸している。(「ひろゆき」…本名・西村ひろゆき。ネトウヨ・レイシストの増殖に“大きく貢献した”あの「2ちゃんねる」の創設者。英語圏を対象とした「4ちゃんねる」も運営しているそうで…)

で、問題となったツイート(「新基地断念まで座り込み抗議」「不屈3011日」と書かれた立て看板の前で「座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?」と満面の笑みを浮かべてピースサイン)及び、炎上後の基地反対派の人たちとのやり取りをネットで見たが、辞書の「座り込み」の意味を持ちだして反論するなど言う事やる事、あまりに子どもじみていて…一体この人、TVクルーまで連れて沖縄に何を撮りに行ったのだろう?と、只々呆れるばかり。

(「座り込み」の実態が知りたければ、反対派の人たちに取材して聞けばいいし、疑問があれば直接ぶつければいいだけのこと。それもせずに「看板の表記がおかしい」と、いきなりの冷笑ツイート。結局、辺野古へ行った目的は、社会運動に無理解・無関心な圧倒的多数をバックに、基地建設反対の声を上げる少数の人たちを茶化し、寄ってたかってコケにすることだったなんて、とても45歳の大人がやることではない)

エッセイストの能町みね子さん曰く〈西村ひろゆきは議論に長けた人ではなく、自分の知らないことに対してもすごい勢いで詭弁を生産できるという技術のある人〉だそうだが、「なるほどね」と思う。そのような人間が「論破王」とか「頭がいい」とか、過剰に持ち上げられる社会が、まともであるはずもない。

8日(土)

ここ数年のパターン通り、お彼岸の期間を避けて少し遅めの墓参り。帰りがけ「福生」に寄り「シュトゥーベン・オータマ」で、地ビールを飲みつつランチ。(毎度思うが、ここのビールとソーセージ&ハムは絶品)

11日(火)

《紙の健康保険証24年秋に原則廃止、マイナンバーカード事実上義務化へ あさって政府発表》

国葬に続いてこれですか…ホント決めなくていい事だけ独断専行して、いま必要なことは一切しない「岸バカ田内閣」。

大体、閣議決定だけで国民に義務を課すなんてことができるわけ?憲法に反する行為じゃないの?…とムカつきながら思っていたら、《憲法41条は国会を「唯一の立法機関」と定めており、ここにいう「立法」は、どんなに狭く解釈しても「国民の権利義務を定める規範」ですから、閣議決定で国民に義務を課すことはできません。今回の措置は明白な憲法違反ということになります》というアンサーを見つけた(by弁護士・神原元氏)

ところで、マイナンバーカードを導入した時は、持たなくても不利益はないという話だったのに、今や持たない人をどう追い詰めるか、みたいな話にまでなっている。おかしくない?何なの政府(自民党)のマイナンバーカードへの異常な執着ぶりは? 

国民総背番号制を実施したいという思惑は分かるとして、天下り先の確保とか関連事業を受注した企業からの多額献金とか、相当においしい「何か」があるんだろうか……実に気に入らないし、やはり「統一自民党(統一教会+自民)」は気持ち悪い。ということに尽きる。

17日(月)

「ひろゆき」またも問題発言。

《少子化が続き、高齢者割合が増えてます。勤労世代の負担増を止めないと社会は持続出来ません。「寝たきり老人の胃ろうに保険適用しません。飯が食えない老人は自費で生き残るか諦めてください」と言える政治家が必要になります。嫌われる役割を未来のために誰が背負うのか?》

“弱者には金をかけるな、助けるな”なんて、明らかなヘイト発言に「いいね」が何万も…なんという世界!

18日(火)

午前中は練馬で仕事。終了後、重いリュックに作業着のまま、ポレポレ東中野へ。「布川事件」で冤罪逮捕され29年間を獄中で過ごした桜井昌司さんを追ったドキュメンタリー映画『オレの記念日』(監督:金聖雄/2021年)を鑑賞。(上映後、芸人・松元ヒロ&監督・金聖雄のトークイベントあり)

観ている間は、獄中29年の苦労を感じさせない桜井さんの笑顔と元気な声に驚かされたり、和まされたり、獄中詩の巧みさ&歌の上手さに胸を打たれたり(もちろん「非を認めない」「決して謝罪をしない」権力の冷酷さ・横暴さに憤ったりもしたが)……で、観終わった後は、思いきり背筋を伸ばして空を見上げたくなるような、不思議な爽快感に包まれる今年一番のドキュメンタリーだった。(「国家権力の横暴さを無化せしめる魔法を見せてくれる映画である」とは、映画監督・原一男さんの言葉)







2022/10/20

10月の雑感&メモ①


2日(日)

歌手の長渕剛が9月に北海道で行ったライブで「この北海道という街はその昔、開拓民たちが一生懸命開拓した街だ。お願いだからこの自然に満ち満ちたこの土地を、外国人に売らないでほしい」と訴え、ネット上で話題になっている。(自民党の片山さつきも早速「素晴らしいと思います」と長渕を持ち上げながら「敵は狡猾ですが、国民の共感があれば戦えます」と、反中国を煽るかのような便乗ツイート

というわけで、「なんでまた、あの長渕が?しかも土地取引とあまり関係ないファン(庶民)の前で?」と、少し首を傾げながらそのライブ映像(短縮版)を覗いてみたのだが、いきなりドン引き。彼の熱い叫びに合わせて一斉に日の丸の小旗が振られる様は、まるで「愛国者集会」。感極まって泣いている若者もいる。(「外国人が日本の土地を買うとその国の領土になる」と本気で思っている人が結構いるのかも?)

“おー順子~君の名を呼べば僕はかなしいよ~♪”なんてヤワな歌を歌っていた人間が(当時、そのヤワな歌も長渕も決して嫌いじゃなかったが…)、いつの間にか筋骨隆々、いかつい容貌の「国士」になっていたという事に長い月日の流れを感じつつ、その気色悪い光景に少し茶々を入れたくなった。

「ところで、その外国人には売ってはいけない自然に満ち満ちた土地が、どうして日本人(=和人)のものになったのかについては考えないの?」

で、この件、特に気になるのは、北海道の土地を買っているのが主に中国人投資家だから、普通の商取引を侵略であるかのように警戒、敵視しているのではないだろうか?という点。ここ数年SNS等を通じて愛国主義者=差別主義者という図を散々見せられてきた一人としては、今回の長渕剛や世良公則が発する薄っぺらな「愛国心」が民族差別や偏見を煽る新たな火種にならなければいいな、と願うのみ。

(そもそも「外国人は日本の不動産を買うな」なんて、バブル期にロックフェラーセンター―やコロンビア映画、MLBの球団(マリナーズ)等の“アメリカの魂”を買い漁った 我が国の行いを振り返れば、一体、どの口が?という話。とどのつまり、その当時の国力を日本が失い、今や安く買い叩かれる側に回ったというだけのこと。土地どころか国中全てのモノを叩き売り状態にした安倍政権とその後継者たちを批判せず、海外勢力の経済活動に八つ当たりしても仕方ないと思うけどね)

3日(月)

朝、出がけに向かいの家のTさんとばったり。こんな会話を交わした。

「お出かけ?」「ええ、仕事です」「どの辺まで行ってるの?」「今日は駅向こうの1台を済ませてから東長崎ですけど……体もきつくなってきたんで、そろそろリタイアかな?と」「えっ、まだ60…?」「イヤイヤ、もう70ですよ」「そうなの!?お孫さんは?」「まだですね…まあ特に望んでいるわけでもないですけど」「そう、いいね。おじいちゃん、おばあちゃんにならなくてすむんだ」「そうです…かね?(笑)」(ちなみにTさんは80半ば。人当たりのいいユーモラスな人だが、時折「もう、生きているのに飽きちゃった」とか「長く生きすぎたよ」とか、返す言葉に困るようなことを自嘲気味かつ寂し気に口走る。老いて男一人。やはりキツイよなあ…と思う)

午後2時、仕事を終え帰宅。ツレは阿佐ヶ谷のヨガ教室へ。録画していた映画『ヒトラー最後の12日』を見てから晩飯の用意。「肉豆腐」を作る。

4日(火)

朝、テレビをつけていたら、いきなり「Jアラート」。毎度おなじみ〈アメリカさん振り向いて!〉の「北朝鮮」なのに、「ミサイル発射、ミサイル発射」「地下に避難してください」が何度も繰り返され、まるで戦時下。あまりのしつこさ、バカバカしさに即テレビを消したが、あとで知ったところでは全テレビ局がJアラートを40分も続けたとのこと。で、ミサイルは当たり前のように日本上空を通過し太平洋へ落ちたそうだが(「日本上空を通過」といってもほぼ宇宙空間!)……これで「地下に避難しろ」って、我が政府は一体どこまでバカなのか?(要するに戦争危機を煽っての軍事予算拡大策。そんな低劣な政府に乗せられて半数以上の国民が「防衛費増額」に賛成しているとか……もう、どっと溜息)

※養老孟司氏推薦『SDGsの大嘘』(池田清彦/宝島社新書)読了。(「地獄への道は善意で敷き詰められている」とはヨーロッパの諺。《SDGsはこの典型例になっているように思う》という序文から始まる一気読み必至の優れ本。帯にはこんな言葉が…〈SDGsはグローバル資本主義を続けたい欧州の免罪符〉〈実はエコではない「太陽光発電」と「風力発電」〉等々)

5日(水)

我が友、デザイナーのウエちゃんから嬉しいプレゼント(Tシャツとタオル)が届いた。「線が固くてジャンクっぽいのですがデモ用に(笑)」とのメッセージあり。感謝!