2月1日(水)
Tジョイ大泉で『BTS: Yet
To Come in Cinemas』を鑑賞。(世界的人気を獲得した韓国のボーイズグループ「BTS」が昨年10月に韓国・釜山で開催したコンサート「BTS Yet To Come in BUSAN」の模様を収めたライブドキュメンタリー)
「BTS」の歌もダンスもネットフリックスやYou Tubeで時々見ていて、けっこう気に入ってはいるが(最近ようやくメンバーの名前も覚えた)、当然ながら「ARMY」と呼ばれる熱烈なファンとは異なり、かなり遠目から彼らの活躍を眺めている(自分のような)シルバー世代の人間にとっては、半分、物見遊山気分で行けるという気安さも含め、すこぶる有難い映画(その分、少し料金は高いが)。歌よし・ダンスよし・ビジュアルよし!の3拍子揃ったBTSの熱いステージを気持ちよく楽しむことができた。
ちなみに、最近の“お気に入り”はイギリスのロックバンド「コールドプレイ( Coldplay)」とのコラボ曲「My Universe」(曲のコンセプトは“差別を越えた共存のメッセージ”とのこと)
https://mdpr.jp/k-enta/detail/2785426
https://www.youtube.com/watch?v=3YqPKLZF_WU
2月18日(土)
新宿ピカデリーで『仕掛人・藤枝梅安』(監督:河毛俊作)を鑑賞。
敬愛する池波正太郎のベストセラー時代小説「仕掛人・藤枝梅安」シリーズを、池波正太郎生誕100年となる2023年に映画化した2部作の第1部。
ということで、久しぶりに劇場で観る本格時代劇。かつて萬屋錦之助や緒形拳が演じた梅安を豊川悦司がどう演じるのだろう?と、興味津々だったが……正直、“トヨエツ梅安”はカッコよすぎて(ダメ!というわけではないが)、私的にはやや期待外れ。裏の世界のクールさはそのままに、市井の鍼医者・梅安の人間味がもう少し自然に滲み出て欲しかったなあ、と思う。その代わりというか、薄幸の悪女「おみの」を演じた天海祐希が絶品!実に素晴らしかった。(片岡愛之助の演技力&キラっと光る存在感も中々のもの。いい意味で驚かされた。逆に、菅野美穂がこれほどの“大根”とは……)
2月22日(水)
池袋グランドシネマサンシャインで『別れる決心』(監督:パク・チャヌク、2022年製作、韓国)を鑑賞。(「オールド・ボーイ」「お嬢さん」のパク・チャヌク監督が、殺人事件を追う刑事とその容疑者である被害者の妻が対峙しながらもひかれあう姿を描いたサスペンスドラマ。2022年カンヌ映画祭で監督賞を受賞)
で、この映画、韓国サスペンスには珍しくまったく血は流れない。バイオレンスもない。が、映像的トリックを駆使して描かれるその不可思議なラブストーリーはまるで白昼夢を見せられているかのように観る者を困惑させ、主人公(不眠症の刑事)同様、儚い夢を追いながら、無限の荒野を歩かされているような茫漠とした気分にさせられる(それこそが“暴力的”なのかも?)。抗うことのできない「恋愛の磁力」とでも言うのだろうか……変化のない空虚な日常の中で、偶然出会った美しくも儚げで、若干、幸の薄そうな女性に惹かれる、刑事としての本分を忘れるほど振り回される、というのは同じ男として分からないでもないが、そういうピュアで無防備な感情は決して報われず、ものの見事に打ち砕かれるのが世の常。やはり結末は悲劇的だった。
というわけで、夢か現か分からないような映像表現及び「出会って、別れて、また出会い…」という物語の展開が分かりづらい点も含め、かなりレアなサスペンスを見ちゃったなあ…という印象。(そういえば、遠い昔に観たヒッチコックの『めまい』も、こんな感じだったかも?)