2020/02/04

1月のメモ(初詣、初映画など)



タモリ、麿赤児、三上寛、そして坂本龍一(とのセッション)というゲストの豪華さ、その独創的なパフォーマンスとトークの楽しさに「さすが、山下洋輔!」と、唸らされた『山下洋輔トリオ結成50周年記念コンサート 爆裂半世紀!』(1223日・新宿文化センター大ホール)&旧友たちとの忘年会(1229日)で、いい感じに2019年を締めくくり、迎えた202011日……

天気は快晴。昼頃に訪れた息子夫婦と、ほろ酔い気分で「東伏見稲荷神社」へ。

拝殿の前で軽く手を合わせ、家族と友人たちの無事を祈った後、“おみくじ”の長い列に並んだ。

ここ数年、「凶後丙」など、何故か頭に「凶」の字が入るおみくじばかりを引いてしまうという、この神社との相性の悪さは令和になっても不変。またまた微妙な「凶後吉」……その私の「凶運」に引きずられたのか、今年は連れ合いまでもが「凶後末吉」。即、別の神社での“引きなおし“を決めた。

ちなみに、稲荷神の総本社である京都の伏見稲荷大社のおみくじは32番まであり、大吉・中吉などの吉系は21種類、「凶後吉」など凶から吉に転じるものは6種類、「吉凶未分末大吉(よしあし未だ分からず末大吉)」といった“どちらともいえない”系が5種類あるそうで、凶の字が入る確率もけっこう高い…とのこと。(毎年、凶を引いているのは私だけではないはず)

ともあれ、新米スタイリストから売れっ子スタイリストに飛躍中の愚息&AYUKOさんの御籤には、しっかり「吉」の字が躍っていたので、よしとすることに。(息子は、新年早々、ロンドン、南フランス……と、立て続けに海外ロケ。とにかく忙しそうで、喜ばしい限り)
122日、阿佐ヶ谷の「神明宮」にて“引きなおし”成功。ワタシ「大吉」、ツレは「中吉」……その後、駅近くのパスタ&タイ料理店「IVO(イヴォ)」でランチ。「絶望」という名のスパゲティを食べた。実に旨し。

2日は、例年通りのメンバー(ウエちゃん、MIYUKIさん、長野在住のMOTOMI嬢)で新年会。カラオケの調子はイマイチだったが、楽しい一夜だった。(で、私の正月はこの日で終わり。3日、4日は「証明写真機」の仕事……納金に伺ったファミマの店長さんから、「正月早々、ご苦労様です」とねぎらいの言葉あり。「そちら様こそ」なのだが)

続いて「初映画」……正月気分も早めに抜けた今年の第一作目は、ケン・ローチ監督の『家族を想うとき』(製作:イギリス・フランス・ベルギー、2019年。小屋は池袋シネマ・ロサ)

カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞した『私はダニエル・ブレイク』を最後に、引退を表明したケン・ローチ(83歳)が、現在のイギリスの労働環境を見て引退を撤回。今作を作ったというのだから、その内容は、推して知るべし。
(家族の幸せを掴むために挑戦した仕事のはずが、114時間、週6日の勤務で身体はボロボロ、心はギリギリ。次第に家族との距離も離れていく……という負の渦にハマり、抜け出せなくなった「宅配ドライバー」と、「もとの父に戻ってほしい」と願う家族の物語)

UberAmazonに代表されるギグエコノミー(日雇い経済)企業がもたらした雇用形態の変化によって、「個人事業主」の名のもとに、過酷な労働を強いられ、過度な責任を負わされる「宅配ドライバー」の姿は、明日の日本の労働者たちの姿のようで、「個人事業主」の端くれとしても、他人事とは思えなかった。

そして、年明け2本目は、話題沸騰の韓国映画『パラサイト 半地下の家族』(監督:ポン・ジュノ、2019年。小屋は「ユナイテッドシネマとしまえん」)

早くも「勝手にコトノハ映画賞(2020)」最優秀作品賞決定!かも?の、超絶エンターテインメント大作。(ホント、面白かった! 凄いぜ!ポン・ジュノ。お見事!ソン・ガンホ)
視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚のみならず、第六感をも刺激する圧倒的な132分。まだ観ていない方は、ぜひ!

P.S.
「初・読書」は、同時に2冊。

黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』(畠山理仁/集英社文庫)
※選挙に立候補したにも関わらず、メディアから徹底的に無視され、戦う前に敗北を余儀なくされる(いわゆる)泡沫候補たちの孤独な戦いを追ったノンフィクション。個人的に「マック赤坂、マジ“リスペクト”」の一冊。第15回・開高健ノンフィクション賞受賞作。

大きな字で書くこと』(加藤典洋/岩波書店)
※批評家及び文学者として歩んできた彼の人生が凝縮されたような遺稿集。近づく死の気配を感じつつ書かれたような「詩」や、寂寥感に溢れる文章の数々を読みながら、そのフェアな精神、ぶれない信念の源に少しだけ触れられたような気がした。改めて合掌。