2019/12/23

勝手にコトノハ映画賞


《外国映画部門》
●最優秀作品賞
ROMA』(監督:アルフォンス・キュアロン/メキシコ・アメリカ、2018年)
※静かに深く心揺さぶる「女と愛と人生の物語」。ラストカットがとても印象的。
タレンタイム ~優しい歌』(監督:ヤスミン・アフマド/マレーシア、2009年)
※様々な言語と文化の衝突と包摂を描いた珠玉の青春群像劇。音楽も素晴らしかった。

●優秀作品賞
誰がための日々』(監督:ウォン・ジョン/香港、2016年)
※「希望は、人の心の中にのみある」ことを実感させられる社会派・香港映画の傑作。
工作 黒金星と呼ばれた男』(監督:ユン・ジョンビン/韓国、2018年)
※ハラハラドキドキからの(まさかの)感涙……熱き男たち必見のポリティカル・サスペンス。やはり、韓国映画は凄い!
ラスト・ムービースター』(監督:アダム・リフキン/アメリカ、2018年)
※バート・レイノルズの遺作となった、笑えて泣けるヒューマン・コメディ。映画愛に満ちた一本。
希望の灯り』(監督:トーマス・ステューバー/ドイツ、2018年)
※舞台は東西ドイツ統一後のライプツィヒ。地元のスーパーマーケットで働く人達のささやかな日常を描いた作品。「資本主義」に置き去りにされた悲しみを抱える人々の日常、その情けと哀しみと優しさがじんわり胸に沁み入った。
台北暮色』(監督:ホワン・シー/台湾、2017年)
※暮れ行く空と続いていく人生……いつまでも観ていたいと思わせてくれる映画。ありのままの台北は様々な色で満ちていた。

その他。スパイク・リーの『ブラック・クランズマン』、イーストウッドの『運び屋』、ドイツ映画『僕たちは希望という名の列車に乗った』、タランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、主演ホアキン・フェニックスの『ジョーカー』、ジャ・ジャンクーの『帰れない二人』、“衝撃と奇跡の実話”『ホテル・ムンバイ』、インド映画『バジュランギおじさんと小さな迷子』、スコセッシの『アイリッシュマン』などなど、2019年は見応えのある作品が多かった。

監督賞
ヤスミン・アフマド(『タレンタイム』、『細い目』)
※素晴らしい作品を遺し、51歳でこの世を去った彼女に敬意と感謝を込めて。

●主演男優賞
ファン・ジョンミン(『工作 黒金星と呼ばれた男』)
※ソン・ガンホと並ぶ韓国の名優。(観る側の)緊張の糸が一瞬たりとも緩むことのないのは、その細やかな演技あればこそ。

●主演女優賞
チャオ・タオ(『帰れない二人』)
※全うされない愛に翻弄されながらも強かに逞しく生きる女……気がつけば、映画そのものの印象より、この人の姿が強く心に残っていた。

●助演男優賞
イン・ソンミン(『工作 黒金星と呼ばれた男』
※ファン・ジョンミンに負けず劣らずの名演技。(ラストシーンには泣かされました)

●助演女優賞
アリエル・ウィンター(『ラスト・ムービースター』)
※パンクな容姿に、ピュアな心。主演バート・レイノルズを反射する鏡として、十分な存在感を放っていた。

●特別賞
『風櫃(フンクイ)の少年』(監督:ホウ・シャオシェン/台湾、1983年)
※終わりを迎える少年期への感傷と、大人になることへの焦燥……昔も今も、台湾は青春映画の宝庫。

●長編ドキュメンタリー映画賞
主戦場』(監督:ミキ・デザキ/アメリカ、2018年)

《邦画部門》
●最優秀作品賞
よこがお』(監督:深田晃司/2019年)
※一時たりとも緊張感が途切れない厚みのあるサスペンス映画。タイトルもドンピシャ。

●優秀作品賞
ひとよ』(監督:白石和彌/2019年)
新聞記者』(監督:藤井道人/2019年)

●監督賞
深田晃司(『よこがお』)

●主演男優賞
松坂桃李(『居眠り磐音』、『新聞記者』)

●主演女優賞
筒井真理子(『よこがお』)

●長編ドキュメンタリー映画賞
『きずあと 101歳 戦争と平和のレクイエム』(製作:東海テレビ、2016年)
『米軍が最も恐れた男 その名はカメジロー』(監督:佐古忠彦、2017年)

P.S.
「師走」とはよく言ったもの。本業(珍しくラジオCMの仕事が入った!)と副業(アクシデント続出)で、めっちゃ忙しい2週間(上旬)を過ごしたと思ったら、その後は体調不良に陥り、お尻の「痛み」と、背中の「痒み」で三日にあげずの医者通い。(体調の方は、ここ3、4日で一気に良くなり、何とか元気に新年を迎えられそう…)
で、その間、4Kテレビの購入(寿命なのか、今のテレビが全く映らなくなった)を契機に、プロバイダーをジェイコムからソフトバンク光に切り替えたり(故に、24日以降、現在のEメールアドレスが使えなくなる)、Windows7のサポートが打ち切られるということでパソコンも買い替える羽目になったり、もう、いろいろ重なって、心身共にてんやわんや。かつてないほど、慌ただしい年の瀬になってしまった。

というわけで、年内のブログの更新はこれがラスト……(の予定)

様々な事情で更新が滞る事の多い一年でしたが、今年も「コトノハ舎ブログ」を読んでいただき、本当にありがとうございました。
来るべき2020年が、皆様にとって素晴らしい一年でありますように。