2024/07/28

もろもろ“雑感”その①


庄野真代の歌ではないが《割れてしまえ地球なんか!》と、分厚い空に声をぶつけたくなる様な連日の猛暑。皆さま元気でお過ごしでしょうか。(私自身は特に変わりなし。日々体力の衰えは感じますが年相応に元気で過ごしています)

というわけで、久しぶりのブログ更新……あまり旬な話題ではありませんが、まずは、77日に行われた東京都知事選について。

(年の所為か「集中して一気に書く」というのがけっこうキツイ。必然アップするのに時間がかかるし、時間がかかれば書いた内容も古くなる。という悪循環で徐々に「書く気も失せてくる」わけですが、変わらず本は読んでいるし、映画も韓ドラも「虎に翼」も観ている。おまけに8月からは初めてのボランティア活動もスタート……以前ほど、筆は進まなくなりましたが、書きたい事があるうちは続けたいと思っています。今後とも宜しく)

◎都知事選1(小池百合子強し!)

N党が仕掛けた「掲示板ジャック」、ある候補者によるほぼ全裸ポスター掲出、聴くに&見るに耐えない政見放送など、「(良識も常識も真摯な姿勢も“悪意・冷笑・金儲け”の渦の中に巻き込まれるような)メチャクチャな世の中になっちゃったなあ」と、改めて「底の抜けた日本」を感じさせられた17日間の選挙戦は77日、大方の予想通り「現知事・小池百合子」の圧勝で幕を閉じた。

(「ぜひ、この人を!」と積極的に推せる候補者が見当たらない中、私自身の投票方針は「戦略的一択」。「反自民・反小池都政」及び人権&護憲という観点から蓮舫さんに一票を投じた。但し、彼女も旧民主党政権の中枢にいた一人。経済政策的には「緊縮財政派」の印象が強く、新自由主義を是とする他候補と大差なし。政治家としての真摯な姿勢及び人間性はどの候補者よりも信頼できるが、大胆な改革はあまり期待できないだろうなあ。と思いつつの一票)

で、この結果……小池都政の終焉を願った身としてはもちろん喜ぶことはできないが、あまりの大差負け&次点も逃すという惨敗に「ここまで負けるとはなぁ…笑っちゃうしかないね」と、若干寂しくテレビの前で脱力。

(にしても、学歴詐称・電通及び三井との癒着等、あれだけ疑惑が取り沙汰され、自ら答弁の場に立たない傲慢な都政運営を問題視されてもこの強さ。しかも、女性票のダントツの多さ!)

私には“あれだけ怪しい”小池百合子を選んだ女性たちの理由がよく分からないが、少し目線を小池氏側に寄せれば、その選挙戦の姿は「正義を振りかざす政治的マッチョな男たちに叩かれても(“小池やめろ!”コールに演説を遮られても)、騒がず怒らず、微笑みながら余裕で受け流す老練で頼れる政治家」と見えなくもない。言い換えれば「学歴社会・男性社会の中でしたたかに生きる術・出世する術を身につけ、己を偽ってでもひたすらトップの座を目指し、次代の女性たちに道を切り開いた稀有な人物」……そう捉えると、女性たちの圧倒的支持も頷けなくはない。

(といって、私自身は、レイシスト的発言が多く歴史修正主義体質の小池氏を人間的にも政治家としても好きにはなれないし、今後も「反小池」に変わりはない。

兎に角、アメリカ大統領選を見ても分かるように、選挙は生ものであり感情的なもの。「正しさ」だけで人を動かすことはできないし、現状に対する正当な抗議や怒りが必ずしも票につながるわけではない。その逆に「緑のタヌキ」などという揶揄や「やめろ!嘘つき!」等の野次・怒声には鋭く反応し、顔をしかめる人が多いと聞く。改めて、センシティブな女性票を舐めてはいけないなあ…と思った)

◎都知事選2(「蓮舫」選挙戦&選挙後)

一方、負けた蓮舫さんの選挙戦はといえば(私は街頭演説の動画を逐一見ていた)、“ひとり街宣”のきっかけとなった区長選の勝者、杉並区長・岸本聡子さんを始め、様々な分野で活躍する女性たち及び市民活動家や立憲・共産・社民の女性議員たちが次々に車上に立ち、かなりな盛り上がりを見せた序盤は文句なし。「これはひょっとするかも?」と思ったが、後半、リベラル陣営からも「オワコン」と呼ばれる旧民主党・現立民の古株議員たちの登場によって一気に失速した感じ(「オール都民」で戦うはずが、野田佳彦、枝野幸男、長妻昭等が異口同音に小池批判&自民党批判を展開する様は、まるで「立民演説会」。動画を見ながら「野田、早くやめろ!」と声が出そうになったほど)。せっかく党を離れて、一人のリベラルな政治家として立ち上がったのに、これでは旧民主党のネガティブなイメージが増幅するだけで私のようなリベラル&無党派層の支持も遠のく。「これではなあ…」と敗北を予感した。

(選挙後、「共産党と組んだことが敗因」などと、相変わらず共産アレルギーの連合会長や国民民主の玉木などが言っているが、それは彼らの単なる思惑。個人的には「蓮舫(の応援)」よりも今後の政局及び代表戦を睨んで、連合に忖度しつつ立民と自身の存在感をアピールしたい「オワコン」連中が、共産を含めた幅広いリベラルの結集を促すどころかぶち壊したのが敗北の一因になったように思う)

で、そんな私が憤り心底イヤになったのは選挙後。「権力から遠い者&負けた側は容赦なく叩け」とばかりに、蓮舫氏が3位で敗れた事をあざ笑うかのような連日の「蓮舫バッシング」……安全な場所から差別的な言葉を浴びせ続けるSNSの匿名連中はもとより、「あまり人気のない蓮舫ならからかっても、何を言ってもイイ」風に、「2位じゃダメなんですか」という民主党政権時代の彼女の発言を未だに揶揄して流し傷つけるテレビ局、新聞社。「生理的に(蓮舫氏を)嫌いな人が多い」などと偏見に満ちた発言を知った風にほざく低劣なコメンテーター&芸能人。

一体、彼女がどんな悪い事をしたというのだろう。単に一人の政治家として政府と都政の腐敗を追及し、力及ばず負けただけではないか(しかも叩いている側には何も言わず、名誉棄損レベルの言辞で叩かれている側には「冷静になれ」というアホらしいほど歪んだ感覚)。彼女が批判した小池都政の中身には一切触れず、彼女の個性でしかない「出自」「服装」「容姿」「言い方」を叩く、非難するという、その邪悪なエネルギーの半分でも疑惑まみれの小池百合子や自民党(とりわけマイナカード利権に群がる連中の意のまま保険証廃止をごり押し、反論・疑問・質問を一切無視する河野太郎デジタル相!)に向けてみろよ!と文句の一つも言いたくなる。ホント何なんだろうね、この国は!?

(「蓮舫叩きはリベラルな政治家への見せしめ」と誰かが呟いていたが、当たらずと雖も遠からず。しかしこれほどリベラルな政治家、考え方・主張が嫌われ、揶揄われる国になるとはなあ……ということで一言。そんなにリベラルが嫌いならまず一番にやるべきは、自分が支持する党の党名変更を要求することではないだろうか。

《自由民主党=リベラル・デモクラティック・パーティー》のままだと、諸外国から「自由と民主主義を党是に、社会的公正や多様性を重んじる」進歩的な党だと勘違いされちゃって、色々辻褄合わせに困ると思いますが…?)

◎都知事選3(3位は石丸伸二?!)

選挙戦が始まる前から、小池・蓮舫・石丸の三つ巴に争いになるというのが大方の予想。早くから「蓮舫一択」と決めていた自分も新顔・石丸伸二の存在は気になっていた。で、「経済と地方自治のプロ」を自称する彼の人となりを知るべく安芸高田市長時代の動画(市議会での質疑応答、けっこう話題になった「恥を知れ、恥を」等)を何本か見たのだが、「(その中身はともかく)話が上手いなあ。若い人たちとの距離も感じさせないし…」と、少しばかり感心したのは、漫画・鬼滅の刃のエピソードを取り入れながら「かっこいい大人になってください」というお得意の言葉(その決め台詞、私的には気色悪い)で締めくくる「新成人へのメッセージ」一本のみ。他は「話にならない」ほど酷かった。

例えば市議会での答弁。極めて分かりやすい質問に関して(しかも事前に質問文を読み、答弁を準備する日数も与えられているのに)理解できないのか、理解する気がないのか分からないが、まったく答えようとせず、あらぬ方向に話を引っ張り意味不明な事を言う。あるいは質問に対して質問で返す(都知事選後にも見られた姿)。必然、会話が成り立たず、「そんなこと聞いてないよ」「何を言っているの?」という戸惑いの言葉が飛び交う議場になる(こんな質疑応答でも議場内が激しい野次や怒声に包まれたりしない「安芸高田市議会」の懐の深さに只々感心)…そんな光景も石丸支持者には“孤軍奮闘”の様に見えるのかもしれないが、市政のトップがこれほど会話能力・コミュニケーション能力が乏しくては、あらゆる物事が停滞することは必定。安芸高田市はよく我慢したなあ…と思う。

というわけで、私的には「都知事にしてはいけない候補一番手」だったが、何と蓮舫さんを30万票以上上回っての2位……(「本も新聞も読まない」らしい20代~50代の支持が圧倒的だった!ようだ)

「石丸現象は、日本人全体の知性の劣化と、幼稚化の結果であり、それは今後も拡大していくことは間違いない」と、ネットの記事に書かれていたが、残念ながら同意。このイヤな流れ、70代の私たちには止めようがないのかもしれない。

P.S.

727日、パリオリンピック開会式……

のっけから凄かった。フランス革命を想起させる映像が流れた後、ギロチンにかかったマリー・アントワネット(の生首)が革命歌「Ah, ça ira !(ア!サ・イラ)」を歌いだし、ヘビメタバンド「GOJIRA(ゴジラ)が歌に合わせて激しくギターを奏でる……そして真っ赤に染まるパリの街並み、画面に浮かぶ「LIBERTÉ(リベルテ=自由)」の文字。その《フランス革命、全力肯定!》とでも言うべき攻めた演出に、自ら自由を勝ち取った市民革命の歴史を持たない国に住む一人として、若干の羨ましさを覚えつつ「さすがだなあ~」と唸ってしまった。

(その他……ピンクの羽根のレディーガガも圧巻だったが、何といっても、ラストを飾ったセリーヌ・ディオン!「愛の讃歌」のあまりの素晴らしさに胸が震え、時間が止まった)

2024/04/03

2ヶ月分のメモ②(3月中のあれこれ)


31日(金)

ほぼ1日かけて練った「新潟・佐渡23日(526日~28日)の6人旅」プランを、Y君、O君にメール送信。(それぞれから「詳細なプラン作成ありがとう」の返信あり)

※旅の初日、共通の友人で新潟在住のN君と「古町」あたりで会食予定。

34日(月)

証明写真機の仕事。年明けから、売価変更や新千円札対応に伴う作業が増え、けっこう手間(その分、多少の割増手当は付くが)……で、利用料金がいくらになったかと言うとジャスト1000円(レギュラー)。私がこの仕事を始めた時は700円だったので、ここ45年で約30%上がったことになる。仕事的に釣銭切れの心配が減ったのはいいが、「何でも値上げ」のご時世とはいえ、正直「上げすぎじゃないの?」と思う。(なのに、「コロナ禍」の際の売上減少を理由に下げられたギャラ=委託料は、未だ回復せず)

315日(金)

午前中は仕事。その足で久しぶりに新宿へ。武蔵野館で韓国映画『梟―フクロウ―』(監督:アン・テジン/2022年製作)を観てきた。

李氏朝鮮時代の記録物「仁祖(インジョ)実録」に記された“王子の怪死事件”にまつわる謎を題材にしたサスペンススリラー。主人公は「暗闇では幾分見える」盲目の天才鍼医ギョンス(演じるのは、韓ドラ「応答せよ1988」での好演が記憶に残る人気俳優リュ・ジュンヨル)……病の弟を救うため、高収入を得られる宮廷で働くことを望み、運よく選抜され、願いが叶ったギョンスだったが、ある夜、王の子である世子(せじゃ)の暗殺を間近で目撃してしまい、おぞましい真実に直面する事態に。その「真実の吐露」により追われる身となった彼の運命や如何に?…という話。

基本「韓国の時代劇にハズレなし」を、ネットフリックスを通じて実感しているので、もとより期待度は高かったが、噂に違わぬ秀作。世代を超えて楽しめる良質な娯楽サスペンスだった。

321日(木)

MLB韓国シリーズ、ドジャースVSパドレスの第1戦終了後、大谷翔平の通訳であり盟友とも思えた水原一平氏の「ドジャースを解雇」という“寝耳に水”のニュースにビックリ。理由は《違法なブックメーカーで賭けるため「大規模窃盗」に手を染めた》ためとのこと……彼個人がやったことで大谷選手に責任はないだろうが、結婚もした矢先に身近で起きた忌まわしい出来事。ふと「好事魔多し」という言葉が頭に浮かんだ。

※後日、事実上“大谷選手を裏切った”形になった一平氏が「ギャンブル依存症」だったことが判明。以後、連日のようにメディアは一平氏の行為を非難しつつ、この問題を取り上げていたが、私自身は「病気の人がやったことを声高に非難したり、勝手に推測してもなあ」という暗鬱な気分になり、「事件」への興味を急速に失った。(それより、大谷選手のバッティングの調子がイマイチなのが気になる)

3月某日

ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーエンズ著、友廣純訳/早川書房)読了。

《ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は真っ先に“湿地の少女”カイアに疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられ、生き延びてきたカイア。村の人々に蔑まれながらも、生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へ想いを馳せ暮らしていた彼女は果たして犯人なのか? みずみずしい自然に抱かれた少女が不審死事件と交差するとき、物語は予想だにしない結末へ》と、カバー裏に書かれているように、一篇の詩によって導かれる“鳥肌モノの結末”が待っているミステリーの傑作だが、幼くして家族に見捨てられた少女の成長譚としても十分に読み応えのある作品。差別と偏見の眼を逃れながら過酷な境遇を生き抜き、持ち前の好奇心と瑞々しい感性&深い観察眼を基に蓄えた知識を「著書」として世に送り出すまでに至る一人の女性の存在そのものにも圧倒された。

328日(木)

昨年12月に亡くなった歌手・八代亜紀の「お別れ会」のニュースあり。私もその人柄も含めて大好きな歌手だったが、彼女の数ある名曲の中で、最も好きなのが「雨の慕情

https://www.youtube.com/watch?v=FZMWYN8pzG0

そういえば、敬愛する故・寺山修司も確かこの歌が好きだったはず。(もう40年以上経つだろうか)ふと読んだスポーツ紙の競馬コラムの中で「雨々ふれふれ もっとふれ 私のいい人(いい馬)つれて来い」とこの歌を引き合いに彼らしい“勝ち馬予想”をしていたことを思い出した。改めて合掌。

330日(土)

墓参り。母が眠る場所に向かう途中、今年最初の桜を目にした。



2024/03/29

2ヶ月分のメモ①(2月中のあれこれ)


28日(木)

午後1時~ 旧知の俳人2人(T君&K君)と新橋で飲み会(場所はニュー新橋ビル地下1階の居酒屋「ふみ」)。70過ぎの男3人、会えば気になる互いの「健康」……というわけで、最近の体調から話がスタート(当然、私の「ジロー話」も)。白内障の手術を行ったT君は「術後、目が見えすぎて眩しい」らしく、以来メガネをかけずに過ごしているとのこと。(50年以上付き合っているが、メガネの無い彼の顔を見るのは初めてかも?若干違和感あり)

その後は、イスラエル(のジェノサイド)、能登半島地震、岸田政権及び立憲の体たらく等々、政治関連の話題から文学(読み終えた2冊、『ラウリ・クースクを探して』をT君に、『日没』をK君に、その場でプレゼント)、映画(『福田村事件』『ナワリヌイ』など)、韓ドラ(沼落ち必至の名作『ムービング』!)まで、5時間近く楽しく語り合った。 


212日(祝)

河崎秋子の直木賞受賞作『ともぐい』読了。

本の帯に「新たな熊文学の誕生!!」(「熊文学」などというジャンルあるの?という疑問はさて置き)と書かれていたので、熊と人間の死闘を描いた所謂“マタギ小説”か?と思いきや、予想だにしない結末に「うわっ…“死闘の連続”ってこういうことだったか!」と、心を射抜かれる秀作。作家・東山彰良氏曰く「今日的な幸福というちっぽけなヒューマニズムでは測れないむきだしの物語だ」……私的に、ここ1年の間で読んだ小説の中では、重度障害当事者でもある作家・市川沙央の芥川賞受賞作『ハンチバック』に次ぐ面白さ&衝撃度だった。


216日(金)

シネ・リーブル池袋にて、脱北を試みる家族の“死と隣り合わせの旅”に密着したドキュメンタリー映画『ビヨンド・ユートピア 脱北』(監督:マドレーヌ・ギャビン/2023年製作、アメリカ)鑑賞。

作品の中心となるのは、脱北者家族(幼児2人と老婆を含む5人)とそれを支援する韓国人のキム・ソンウン牧師、そして北朝鮮に息子を残したまま、一人、韓国で暮らす脱北女性(もちろん、その背景として南北分断の歴史、欧米と日本の戦争責任にも触れつつ、公開処刑・飢餓など“軍事ファースト”北朝鮮の現地映像も流れる)……その5人の家族の緊迫感漂う苛酷な脱出劇と脱出を図れず北朝鮮で拷問に合う息子に思いを寄せる母の姿に、否応なく感情移入させられつつ、スクリーンに釘付けとなる115分間。改めて、この世界はどうしてこうも悲しく、残酷なのだろう、と思う。

219日(月)

JR神田駅近くの居酒屋「神田っ子」で新年会あり。(メンバーは、広告業のJINさん、デザイナーのフェアリー&私の3人)

1年半ぶりの3人会だが、いつ会っても言葉は同じ。「美味しかった!」「楽しかった!」「また会おうね!」…変わらず会える良き仲間がいる幸せ。みんな、元気で!


 221日(水)

確定申告のため「東村山青色申告会」へ。例年通り、20分ぐらいで終わるだろうな…と思っていたが、担当の税理士さんが“新人”のようで、中々捗らず1時間もかかってしまった。(ようやくまとめた提出書類にチェックを受けるべく「これでいいでしょうか」と尋ねた先輩に「もっと、整理してから持ってきて」と冷たくあしらわれ、さらに焦って震える彼の手……「落ち着こうよ」と声をかけようと思ったが、余計に焦るかもしれないので、やめた)

 224日(土)

孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル』(菅野久美子著/双葉文庫)読了。

《ひとりで死に、長期間誰にも発見されることのない、孤独死。今後日本で100万人規模での発生が予想されている。孤独死が起こった現場はどうなるのか、残された遺族は何を感じるのか、故人が抱えていたものとは……。著者が実際に特殊清掃に同行したルポとともに、現代を生きる私たちが孤独死を防ぐためにどうすればいいかを探る》(カバー裏より)

という、まさに「他人事じゃない」現在的問題へアプローチした渾身の一冊。

孤独死の予兆である「セルフネグレクト」「生活不活発病」等は世代に関わらず起こること。高齢者のみならず誰もが孤独死に陥る可能性を秘めていることが、この本を読むとよく分かる。


2023/12/27

勝手にコトノハ映画賞2023

 

勝手にコトノハ映画賞2023

●ベストワン

『枯れ葉』(監督:アキ・カウリスマキ/2023年製作、フィンランド・ドイツ合作)



●優秀作品賞

『ロストケア』(監督:前田哲/2023年製作、日本)


『パーフェクト・ドライバー』(監督:パク・デミン/2022年製作、韓国)


『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
(監督:ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート/2022年製作、アメリカ)



To Leslie トゥ・レスリー』(監督:マイケル・モリス/2022年製作、アメリカ)


CLOSE/クロース』(監督:ルーカス・ドン/2022年製作、ベルギー・オランダ・フランス)



『福田村事件』(監督:森達也/2023年製作、日本)



『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』(監督:オリビエ・グアン/2021年製作、フランス)

 


●印象に残った俳優たち

アルマ・ポウスティ(枯れ葉)

アンドレア・ライズボロー(To Leslie トゥ・レスリー)

パク・ソダム(パーフェクト・ドライバー)

レオナルド・ディカプリオ(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)

松山ケンイチ(ロストケア)

田中麗奈、東出昌大(福田村事件)


※今年も残り僅か。来るべき2024年が皆様にとって良い一年でありますように。


 

 

 

 

 

2023/12/24

12月のメモ


1210日(日)

朝からビッグニュースが飛び込んできた。

《大谷翔平 自身のインスタグラムでドジャースに移籍すること発表。契約は10年総額7億ドル(約1015億円)

「ワールドシリーズ進出の可能性が高いチームで活躍してほしい」と願っていたので、この移籍は個人的にも大歓迎かつ来季が楽しみ。

1212日(火)

義兄の鉄ちゃんの傘寿を祝い(私の快気祝いも兼ねて…との事)、両国「ちゃんこ霧島」で会食。「ちゃんこ鍋は初めて」という3人(義兄、義姉、ツレ)も「おいしい、おいしい」と舌鼓。楽しい祝いの席となった。

1215日(金)

新宿シネマカリテで名匠アキ・カウリスマキの新作『枯れ葉』(製作:2023年、フィンランド・ドイツ合作)を鑑賞。

《フィンランドの名匠アキ・カウリスマキが5年ぶりにメガホンをとり、孤独を抱えながら生きる男女が、かけがえのないパートナーを見つけようとする姿を描いたラブストーリー。カウリスマキ監督による「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」「マッチ工場の少女」の労働者3部作に連なる4作目で、厳しい生活の中でも生きる喜びと誇りを失わずにいる労働者たちの日常をまっすぐに映し出す》(映画.comより)

という、いつもながらのカウリスマキ“ワールド”……

野球界の唯一無二が大谷翔平なら、映画界の唯一無二は間違いなくこの人、アキ・カウリスマキ。その徹底的な優しさ、じんわりくる愛おしさに心の底から酔いしれる珠玉の81分。流れる曲たちも素晴らしかった。(今年は、そう多くの映画を観てはいないが、この映画が「コトノハ舎」的ベストワン。あまりパッとしない一年だったが、この年の瀬に再びカウリスマキと出会えた幸運を喜びたい)

※映画館に入る前、劇場から「プレゼントです」とドリンク缶1本が手渡された(もちろんその回の観客全員に)。

品名は「HELSINKI LONG DRINK  Gin&Yuzu」…《本格ドライジンに新鮮なグレープフルーツジュース果汁と炭酸をミックスしたライトで爽やかな柚子風味のフルーツカクテル》とのこと。

で、その「ヘルシンキ ロングドリンク」が少し気になって家で調べてみた所…《フィンランドは長年厳しい禁酒法により、アルコールを規制されていましたが、1952年に夏季オリンピック開催に伴い海外からの観光客をもてなすために法律が緩和され、ジンをグレープフルーツジュースと炭酸で割ったロンケロ(意味:ロンググラスのカクテル)が開発されました。フィンランドでは、沢山のブランドのロンケロが販売されておりますが、質の高い原材料を使用したハイエンドなロンケロとしてヘルシンキ ロングドリンクは、フィンランド国内でも沢山の人に愛されている商品です》と書かれていた。

フィンランドの禁酒法が緩和された「1952年」といえば、私が生まれた年(これもカウリスマキが繋いでくれた縁かも?)…数年後、またカウリスマキの新作と出会える幸運があれば、この美味しい「ロンケロ」を飲みながら観ないなあ…と思った。

1216日(土)

桐野夏生の小説『日没』(岩波現代文庫)読了。

《小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末は――。》と、本のカバーに書かれている通り、物語の背後にあるのは「国家による言論統制(が、国民の手を借りながら)行われ始めた日本」(帯には作家・筒井康隆のこんな言葉も。「国家が正義を振りかざして蹂躙する表現の自由。その恐ろしさに、読むことを中断するのは絶対に不可能だ」)

個人的にも、安倍政権以降の日本の状況(右傾化、一党支配、メディアの堕落&無力化、言葉の委縮、市民の分断など)を踏まえると、とても架空の話とは思えないほどの恐怖とこの先の社会への不安を五感で味わっているような稀有な“小説体験”となった。(というわけで、桐野夏生の高い問題意識と時代への危機感が生み出した、一気読み必至のディストピア小説「日没」。必読モノです)

1219日(火)

午後1時から所沢にて飲み会あり。面子はY君、O君夫妻、私&ツレの5名。

年末の所為か、昼呑みのメッカ「百味」は超満員。「混んでいるので4時まででお願いします」という店員さんの指示に従い、いつもより早く店を出て、軽くコーヒータイム…からの「手打ちそば 弥兵衛」。美味い蕎麦と日本酒でさらに場が盛り上がり、急遽、来年の「新潟・佐渡6人旅」が決まった。