2019/10/30

「狙い撃ち」&清志郎の言葉・山本太郎の言葉




「あいちトリエンナーレ2019」文化庁助成金(7800万円)取り消し、映画『宮本から君へ』文化庁助成金(1000万円)取り消し、「KAWASAKIしんゆり映画祭」(川崎市600万円、文化庁助成金986000円支給)での『主戦場』上映中止。 (『宮本から君へ』を製作した「スターサンズ」は、安倍政権の暗部を描いた映画『新聞記者』を手掛けた製作会社)

早い話が「政権からの狙い撃ち」。言論統制はこんな形で徐々に進んでいくのだろうか。権力側に都合よく作られた法律の拡大解釈を繰り返しながら……

にしても、川崎市の“懸念”に従い上映中止を決めた「しんゆり映画祭」側の情けなさ&対応の酷さ!(表現の自由と金の問題を警備の問題にすり替えるという“あの手口”。権力者の発想と同根のNPO団体に、大勢のボランティアが参加する市民映画祭を担う資格などあるのだろうか?)。
先日のライブでの陽水の言葉じゃないけれど、ホントとんでもない時代になったもんだ。

で、“狙い撃ち”と言えば、経団連が安倍政権に高齢者医療自己負担を現行の1割から2割にするように提言したとか。
自分たちが法人減税の恩恵に浴するため消費増税を煽り続け、さらに今度は高齢者をターゲットにして、その医療費負担分を倍増しろとは、何たる強欲、厚顔無恥。「お前らが応分の税負担をすれば消費税すら無くせるだろうが! ふざけんな、この強欲野郎!」と胸中の声を荒らげたくもなるが、“問題は今日の雨”……じゃなくて、その経団連(及び政権)の思惑に文句も言わず従いそうな私たち国民の方。
(表現の自由を含め、私たちは権利を奪われることに余りにも鈍感すぎはしまいか)

 つい先日も、「消費増税(8%→10%)」に半数の人が「納得」しているとのアンケート結果(朝日新聞)に、「えっ?何で?!」と愕然としてしまった。(政権が何をやらかしても支持率は45%~50%超で安定したままだし…)

消費税の恩恵を受けながら内部留保を増やし続けている大企業や株で儲けた連中が「納得」するのは分かるが、なぜ成金でもない一般消費者が、生活費を圧迫し消費意欲を減衰させる消費税を称揚または容認するのか、まったく理解できない。

だって消費税の問題は、直間比率の問題であることは明らかなわけで、消費税分の税収を法人税・所得税などの直接税から得るようにすればいいだけ。むしろ、消費税を廃止するか、極めて低い税率にした方が、累進課税、応能負担の原則も担保され、消費が増えるはず。当然、消費が増えれば景気もよくなる。景気が良くなれば企業にも高所得者にも利益がある。と思うのだが、一体全体、半数もの人が何に「納得」しているのだろう。

もし、「国の借金を減らすため(財政健全化のため)」とか「社会福祉の財源として必要だから」とかの理由で消費増税に「納得」しているのであれば、ぜひ『「反緊縮!」宣言』(亜紀書房)という“優れ本”に目を通して頂きたいと思う。きっと「消費税」に関する捉え方・考え方が変わるはず。(もちろん私も「読んで変わった」一人です)

P.S.
今は亡き「忌野清志郎」が、以前「NEWS23」(199911月放送分)で、こんなことを言っていたようだ。

https://pbs.twimg.com/ext_tw_video_thumb/1189079730286288896/pu/img/ePcXzn0OzseqKo8U.jpg:small

「やっぱりなんか一般庶民が、諦めちゃってるっつーかね。最初から戦う気力が無いって言いますかね。えー政治家が勝手にやってくれ、みたいなね。そういう、非常になんて言うかなぁ……家畜のようなね、人間になってしまったな、と思いました、一般の人が

(映像は「忌野清志郎 瀕死の語録問屋」で、どうぞ)

それから丁度20年……今や家畜のようになってしまったのは一般の人だけではない。学校もメディアも政権や経済団体の意のままに徹底的に管理されて、工場のラインを流れる同じ形の製品のようになってしまった。
私個人が憤っても、抗っても、何ら力にならないし、そんな状況を変えることはできないが、この国に生きている一人として、何とかしなくちゃなあ……と、日々思っている。

というわけで、「山本太郎」と「れいわ新選組」への応援も続けていますが、現在、全国ツアー中の太郎さん。大分市「街頭記者会見」での“やりとり”が必見・必聴モノ。

「決して裕福じゃない人達が 裕福じゃないもん同士で石を投げ合ってどうするんですか。 分断に加わってどうするんですか」……(ホントにその通り。よく言った。よく言ってくれた)https://tr.twipple.jp/detail_movie/1d/0f3f3c.html
(山本太郎「偽善者と呼ばれて」1028日 大分市 街頭記者会見 全国ツアー九州編)

 

2019/10/23

「光陰矢の如し~少年老い易く学成り難し~」



3日前の日曜(20日)は「東京国際フォーラム」で、2年半ぶりの「井上陽水」。

「光陰矢の如し~少年老い易く学成り難し~」は、その“50周年記念ライブツアー”のタイトル。「光陰…」も「少年…」も、広く知られた言葉だが、陽水のツアータイトルというだけで、どことなく物憂げで、何となく意味深に思えてくるから不思議。

 


 

コンサート中、本人の口からタイトルに関する話は聞けなかったが、冗談めかして「ホント、大変な時代になりました」と繰り返し語られた言葉に、その真意が込められているのかも……そういえば、曲の合間、こんな風な話をしてたっけ。

「テレビっ子のワタシは、それはもう、よく(テレビ&ニュースを)見るんですが、毎日毎日4つも5つも信じらないことばかりで……とんでもない時代になったんだなあと……で、いたたまれなくなって(というか)癒しを求めてアニマル番組なんかを覗いたりしちゃうんですけど……それがまたすごくて、ワニがライオンを襲うんですよ。で、ライオンもまたワニを襲ったりして(笑)……まあ、どこも大変なんだなあ……なんて(笑)」

「光陰矢の如し」。誰しも正気を保つのが難しい世の中になってしまったんだなあ……と思う。

で、ライブの感想だが、「良かった!」のひと言。確かに、高音域が苦しそうだったり、歌詞がハッキリ聴こえなかったり、というのはあるが、それは致し方ないこと(だって半世紀も前から歌い続けているわけで)。寧ろ時を重ねた分、声にも佇まいにも自由さが増したというか、曲ごとに変わる空気を思うままに操っている感じが嬉しくもあり、また頼もしくもあり、実に気持ちのいい大満足の2時間半。とりわけラストの「傘がない」!……

数えきれないほど聴いた曲なのに、この夜は、特に沁みた。

※以下、セットリスト。

01 あかずの踏切
02 アジアの純真
03 Makeup Shadow
04 東へ西へ
05 青空、ひとりきり
06 新しいラプソディー
07 瞬き
08 海へ来なさい
09 いっそセレナーデ
10 帰れない二人
11 女神
12 (メドレー)
   カンドレ・マンドレ/闇夜の国から/ダンスはうまく踊れない/
   飾りじゃないのよ涙は/とまどうペリカン/ワインレッドの心/ジェラシー
13 少年時代
14 リバーサイドホテル
15 最後のニュース
16 夜のバス
17 氷の世界
アンコール
18 クレイジーラブ
19 夢の中へ
20 傘がない