2015/02/22

ネコの日(&今週のメモ)


15、16、17と私の人生くらかった♪……ではなく、日曜(15日)から熱を出し17日まで3日ほど寝込んでしまった。どうやら、治ったつもりの風邪をぶり返した感じ。

で、かなり楽になった18日は、雨の中、ホームページ用コピー制作の仕事で港区・芝公園近くの「セレスティンホテル」へ。
ホテル内のカフェで1時間半ほど、大病を患った後に“人生の集大成”として新規事業を立ち上げたクライアントの社長・Uさんにインタビュー取材……「インタビューとコピーは、ぜひ彼に」と私を指名してくれたことに感謝しつつ、70歳を超えた今も衰えぬ情熱と冒険心を湛えた人間の素直で深い言葉に聞き入った。

19日は、橋本治の『バカになったか日本人』を読了。感想は後日改めて書きたいと思うが、とりあえず帯のコピーを紹介。《説明できない総理大臣、進まない復興と原発再稼働、増税と強引な解散総選挙……現代の「なんかヘンだな?」を解き明かす、ちょっと辛口な処方箋 議論の仕方を忘れた、13000万人のために》……宣伝文句に偽りなし!の好著。

21日は、「確定申告」のため「東村山青色申告会」事務所へ。
売上のあまりの激減ぶりに「これでいいんですよね?税務署にご説明できますか?」と不審に思われたが、いいも悪いもない、コレが我が生業の厳しき現実……とうに承知のことなのに、なんとも気の重い帰り道だった。(そろそろバイトでも探そうか…)

というわけで、今日2月22日は「ニャンニャンニャン」の語呂合わせで制定された「猫の日」。といっても愛猫のための特別な催しなど一切ない我が家。

いつもと同じ餌を食べ、いつもと同じ場所で寝て、いつものように爪を研ぎ、いつものように駆け回る……「ジャック」は変わらず元気なり。








2015/02/14

幸せな2時間5分



昨日の朝、つけっぱなしのテレビから清志郎の「デイ・ドリーム・ビリーバー」が聴こえてきた。

どうやらNHK「あさイチ」の“特選!エンタ”コーナーで彼のライヴ映像を流している様子。仕事のメールをチェックしながら暫く聴き耳を立てていたら、ナビゲーターのグッチ裕三が、清志郎の映画の話をしだした。

ん?映画?!……そういえば年明けに清志郎のライヴ映像で構成される映画が公開されるという話は聞いていたけど、今、やっているわけ?!と、慌ててネット検索。

上映館は都内に5ヵ所あったが、その内3ヵ所が11回の上映で開始時間が17時以降。コチラの都合と合うのは上映開始1215分の「イオンシネマ板橋」だけ。しかし、そこも翌日の土曜(14日)になるとスケジュールが切り替わり、上映開始2045分の1回きりになるとのこと。

マジか!?だったら、今日(13日)観るしかないじゃん!……と、パソコンを閉じて、いきなりゴーサイン。即、外出準備を整え、清志郎ファンのツレを引きつれ(引きつられ?)、最寄駅の「東武練馬」に向かった。

1110分着。駅からすぐの「イオンシネマ板橋」は、その名の通り総合スーパー「イオン」の5階にあるシネコン。同じフロアにある飲食店で早目のランチ(かきフライ定食)を取り、広い映画館のど真ん中の席に陣取り、ワクワク気分で『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー The FILM 1入門編』の上映開始を待った。

で、あっという間の2時間5分……言葉は不要、感無量。
キャッチコピーがすべてを物語っている。
今の世の中に足りないものがある…それは「忌野清志郎だー!!」

改めて、彼こそ唯一無二のブルースマンなのだと思う。

帰り道、東武練馬のホームでツレが言った「桑田クン、いま色々叩かられているんでしょ。で、よく分からないけど謝罪したんだって?……清志郎だったら絶対に謝らないよね」

清志郎フォーエバー!(負けるな、桑田佳祐!)


※今宵は、高校時代の女ともだち2人と新宿『鼎』で飲み会。二人とも見かけは若いが、孫もいる正真正銘のおばあちゃん。でも、会って話せば若かりし頃のまま。きっと楽しい夜になるはず。


2015/02/07

ほろ酔い気分で『深夜食堂』



仕事が片付いた週末は、ふらっと近くに出かけて映画でも観るのが一番(天気もイイし)。ただ、そこそこ気分がいい日にベタな感動系やシリアス系は避けたいもの。東中野の「ポレポレ」でドキュメンタリーも悪くないが、できれば終始気楽なほろ酔い加減で楽しめるヤツがいいなあ……と、隣駅のTジョイで『深夜食堂』を観てきた。

意図せぬ流れで、先週の新大久保・新宿百人町辺り(「さよなら歌舞伎町」)から歌舞伎町ゴールデン街(「深夜食堂」)へ、シネマ的ハシゴをしたわけだが、脚本・音楽・俳優・ロケーション、すべてに文句なしの鉄板ドラマのお陰で、エンドロールが流れる頃にはほろ酔いどころかすっかり酩酊気分。
「できるものなら何でも作るよ」……お馴染みの台詞と曲が流れるオープニングからラストまで中弛みもせず、時折“我が意を得たり”のニンマリ笑い状態で、気持ちよく楽しませてもらった。

これまでTVドラマの劇場版はほとんどパスしていた私だが、コレは別格。テレビで観ても映画館で観ても「深夜食堂」は「深夜食堂」。その漂う情感に変わりなし。やはり、いいものはいいのだ! と、「めしや」のマスター、小林薫の顔と懐かしい「ナポリタン」の味を思い浮かべながら、フラフラと家路についた次第。

にしても、オープニングのあの曲が流れてくると、なぜいつも胸がジーンとなるのか……
www.youtube.com/watch?v=NTwtOC7JMZ8

併せて予告編も www.youtube.com/watch?v=u23h5Y3NrTE

多部未華子、なかなかいい女優になってきた。

2015/02/03

最近の映画話②『さよなら歌舞伎町』



ロケ地は昔よく飲み歩いた新宿・歌舞伎町(正しくは、歌舞伎町を挟んで新大久保コリアンタウン~百人町あたり)、監督は80年代にピンク映画で名を馳せた廣木隆一、主演は『ヒミズ』の好演が記憶に新しい若手演技派・染谷将太、そして松重豊、大森南朋、田口トモロヲ、南果歩などなど錚々たる顔ぶれの役者陣……とくれば、当たりの予感がビンビン。面白くないわけがない!と、封切を心待ちにしていた映画。(鑑賞日は127日、小屋は「シネリーブル池袋」)

作品のスタイルは、限られた時間と空間でそれぞれ異なる人生ドラマが並行して描かれる「グランド・ホテル形式」。歌舞伎町のラブホテルを舞台に、そこで働くわけありな人たちと、そこに集うカップルたちのリアルな人間模様を描く群像劇……物語は、とある日の朝の新宿から始まる。

主人公は、ミュージシャン志望の恋人・沙耶(前田敦子)と東北の家族に「一流ホテルマン」と偽り、ラブホテルで店長として働く徹(染谷将太)。でも、その二人の関係を中心にドラマが展開するわけではない(徹は主役というより狂言回し的存在か?)。
時効が明日に迫った逃亡犯の二人、韓国人の恋人同士、風俗スカウトマンと家出少女、逢瀬を重ねる不倫刑事カップル、AV女優として撮影にやってきた徹の妹・美優、そして彼らの人生とすれ違う男たち(大森南朋、田口トモロヲ、村上淳)……そのすべてが一つの火鍋に入れられた肉や魚のように、絶妙のバランスで人生の辛さとほどよい甘味を醸し出す。
中でも特に印象的だったのは、恋人に内緒で風俗店で働く韓国人デリヘル嬢・ヘナを演じるイ・ウンウ。ヘイトスピーチデモに遭遇した際の微妙に強張る顏、過激なベッドシーンを何の衒いもなく演じきる叩きあげの女優魂、ラスト近く恋人との混浴シーンで魅せてくれた深い哀しみと美しさ。もう、胸キュンどころの話ではない。彼女の存在がこの映画の価値を決定づけたといっても過言ではないほどの熱演に、只々感嘆するばかり。

練り上げられた脚本も、ピンク映画出身監督らしい過激な演出もいいが、2時間15分という長尺にもかかわらず、スクリーンに釘付けになって楽しむことができたのは、逃亡おばさん「南果歩」の抜きん出た演技力・個性と「イ・ウンウ」をはじめとする女優陣のカラダを張った演技のたまもの。(生活に疲れた感が滲み出る染谷将太もイイ)
エンドロールの先に希望が見えてくるような大団円のラストも気持ちよく、日本映画も捨てたもんじゃない。と、心底拍手を送りたくなる一本……

だが、唯一「前田敦子」がいただけない!目を覆いたくなるようなグダグダな演技、とてもミュージシャン志望とは思えないギターと歌の拙さ(極め付きは、完全にシラケてしまったラストの無意味な泣きのソロ)。で、ラブホテルが舞台の映画のヒロインという立ち位置で、当然のようにのうのうと「裸&激しい絡みNG」(別に見たくもないが、そのせいで映画全体の雰囲気が壊れるのは勘弁)……どういう事情かしらないが、他の俳優たちが素晴らしかっただけに、何とも残念なキャスティングというほかなし。せっかくの映画が、本当にもったいない!(前田本人も出る映画を間違えたと思っているだろうが、それ以上に監督は無念のはず)

というわけで、「前田敦子」以外は文句なしの力作。日本アカデミー賞は無理でも、東スポ映画大賞くらいはかっさらってほしいものだ。(「勝手にコトノハ映画2015」邦画部門・作品賞には早くもノミネート決定。助演女優賞は「イ・ウンウ」で決まり!)

2015/02/01

最近の映画話①『イロイロ』(&残念なニュース)



早朝からあまりに残念なニュース。何ともやりきれない気分だが、「平和国家」の総理大臣が怒りにまかせて「テロと戦う」姿勢を前面に打ち出し「その罪を償わせる」などと、有志連合の一員として、将来的な武力行使をにおわせるような言葉を、感情的(扇情的?)にまくしたてるのもどうかと思う。で、昼ごろには「総理は目に涙を溜めながら、憤りの念を…」と、またぞろ見たくもない安倍劇場を見せられるという二重のやるせなさ(泣いている場合じゃない!と言いたいが、涙の理由は自衛隊を海外派遣できない悔しさか?)。

こんな時に、質疑応答なしの囲み取材だけで、首相の正式な記者会見すら要求しない大手メディアは、一体何をやっているのだろう(「緊急時だから、政府を叩くな」という指令でも出ているのだろうか?)。危険地域の取材はフリーランスのジャーナリストに任せて、安全な国内で活動しているのだから、せめて首相の行動・発言は国民目線でしっかり問いただしてほしい。それが平和への願い空しくシリアで散ったジャーナリスト・後藤健二さんに対する、同じジャーナリズムの世界で生きる人間としての最低限の礼儀ではないだろうか……

さて本題。年明け最初の仕事(ポスター制作コンペ)も一段落。あとは、デザインの上がりを待って企画書を書くだけ。というわけで、遅ればせながらここ2週間の間に観た映画を紹介。

まずは、14日に新宿・K’s cinema(元「昭和館」)で観たシンガポール映画『イロイロ ぬくもりの記憶』……舞台は1997年・アジア通貨危機時代のシンガポール、監督はこれがデビュー作となるシンガポール出身のアンソニー・チェン。

で、どんなストーリーかというと……
共働きで多忙な両親をもつ一人っ子のジャールーは、ワガママな振る舞いが多く、小学校でも問題ばかり起こして周囲の人々を困らせていた。経済不況化、家計は厳しかったが、手を焼いた母親の決断で、家事と息子の世話をしてくれるメイドを雇うことに。フィリピン人のテレサが住み込みでやってきた。突然の部外者に、なかなか心を開かなかったジャールーだったが、仕送り先にいる我が子への想いを抑えつつ必死で働くテレサに、いつしか自分の抱える孤独と同じものを感じて心を開いていく……というもの。

監督自身の幼少時代の体験を元に、シンガポールの一般的な共働き家庭を描きながら、家族の問題・少年の成長・金銭トラブル・移民や格差の問題といった文化や国境を超えた普遍的なテーマを、家族のリアルな日常の中に浮かび上がらせ、静かに深く観る者の心を揺らす見事な作品。
主要な登場人物は、両親とジャールー、そしてテレサの4人だけだが、それ故の濃密な時間がスクリーンに流れる。自国経済の暗雲に晒され翻弄される普通の人々の暮らし、日常生活の些細な出来事と、そこで交差する細やかな感情の描写が実に巧み。特に、様々な悩みや不満をグッと呑み込んで職務を遂行するテレサの人間味、その優しい眼差しが魅力的だ。
是枝作品の雰囲気に似ているなあと思ったら、パンフレットに是枝裕和監督の声が載っていた。「アジアからまたひとり、時代を代表する監督が誕生したことを素直に喜びたい」……私も、30歳の気鋭監督の誕生を喜びつつ、次作を楽しみに待ちたいと思う。

※「イロイロ」は色々ではなく「ILO ILO」。アンソニー・チェン監督の幼年期、彼の家庭にいたフィリピン人のメイドさんの故郷の地名とのこと。

2015/01/23

奄美の唄とフランスのミステリー小説



《元気? 奄美民謡「あはがり」は久々に心震える唄です。昨年No.1ミステリー「その女アレックス」 会いたいね!》……元旦の朝、岩手・大船渡に住む同い年の友人M君から、こんな文面の年賀状が届いた。

「あはがり」は、NHK BSプレミアム「新日本風土記」のテーマ曲。奄美の島言葉で「すべてがあかるい」という意味らしい。早速You Tubeで聴いてみたが、歌詞がまったく分からず少し困惑。でも、その歌声は優しく力強く神秘的で、心に深く染み入ってくるような不思議な魅力に満ちていた。


声の主は、奄美島唄伝承の第一人者であり「奄美の美空ひばり」と称される「朝崎郁恵」さん、77歳。「あはがり」は、奄美島唄をベースにした朝崎さんのオリジナル曲とのこと。奄美の言葉で唄われる歌詞の意味が気になって、NHKの番組ホームページを覗くとその意訳も併せて載っていた。

浮世・・・仮島に何時(いてぃ)がでぃむ 居らりゅむぃ 
情けあれいよ 仮那(かな)くぬ世ば うさむぃれぃがでぃ 
節や水車めぐりあわそ 
てぃきぬあはがりし たましゃうどぅてい 
いきしゃん くとぅあてぃむ 天と大地や 
てぃきぬあはがりし たましゃうどぅてい
(意訳) 
この世は神様からいただいた仮の世 
いつまで留まっていられましょうか 
命を敬い 生きていきなさい 
この世の生をなし終えるまで 
時は巡る 水車のように だからまた巡り会える 
月明かりの下で 人々は喜び 魂が踊り明かす 
どのようなことがあろうとも 天と大地の間 
月明かりの下で 人々は喜び 魂が踊り明かす

今日(23日)の夜9時からBSプレミアムで放送の「風土記 温泉三昧」の中で、改めて聴いてみたいと思う。

で、もうひとつM君絶賛の『その女アレックス』(ピエール・ルメートル著)だが、彼に薦められるまでもなく、年明けに読むつもりで仕入れていた一冊……「お互い面白本を見つける嗅覚は、まだ衰えてないね」と胸の中で呟き、読んだ本の“褒め合い薦めあい(時々貶しあい)”をしていた遠い昔を思い出しながら、彼の言葉に急かさられるように頁を捲り、450頁を2日ほどで読み終えてしまった。

その興奮というか、久しく味わったことのないスリリングでミステリアスな読書体験をネタバレ込みで説明するのは、これから読む人の楽しみを奪うことにもなると思うので避けるとして、ほんのさわりだけストーリーを紹介。

《ある晩、パリの路上で若い女(アレックス)が、白いバンに乗った男に突然襲われ誘拐された。目撃者の通報を受けて警察が捜査に乗り出すが、車の行方はもちろん、被害者の身元も、誘拐犯の正体も、その目的もわからない。その後、地道な捜査と思いがけない展開を経て、誘拐事件の謎のベールは少しずつ剥がれていくが、そのときにはすでに捜査の焦点も「その女を救えるのか?」から「その女は何者なのか?」へと変わっていた》(訳者のあとがきから抜粋)……という、ん?ん?んんん!?な逆転に次ぐ逆転のサスペンス。事件を追う、警部及び捜査員たちのキャラクターも魅力的だ。(物語の鍵は、孤独な女の壮絶な過去に在る)

というわけで、「読まずに死ねるか!」と、空の上から今は亡き面白本のオススメ屋・内藤陳さんの声が聞こえてきそうな超ド級の犯罪小説。退屈な脳を直撃する極上のオススメ本!