2016/10/08

10日間のあれこれ②(映画&LIVE)



10月1日(土)
午前中は池袋へ。西武のロフトで封筒、ノートなどをまとめ買い。その後、地下の三省堂で本を物色、ジンバブエ出身の作家ノヴァイオレット・ブラワヨの長編『あたらしい名前』(早川書房)を購入。午後は、大泉学園のTジョイでクリント・イーストウッドの新作『ハドソン川の奇跡』を鑑賞……

2009年、ニューヨークで起きた「USエアウェイズ1549便不時着水事故」(奇跡的な生還劇として世界に広く報道された)を、当事者であるチェズレイ・サレンバーガー機長の手記をもとに映画化した作品で、イーストウッドにとっては『J・エドガー』『ジャージー・ボーイズ』『アメリカン・スナイパー』に続く、ここ数年の“実録もの”の一作。
2010年公開の『ヒア・アフター』以来、純然たるフィクションを撮っていないのは大ファンの一人として少し淋しい気もするが、私も大好きな名作『グラン・トリノ』(2008年製作)で“撮るべきものは撮りきった”という思いがあるのかもしれない。
それ故、今のイーストウッドは自身のキャリアを深めることより、愛する母国アメリカの理想と希望を見つめ探ることを使命として、映画を撮り続けているように見える。
国家・国民への信頼と、アメリカの夢と誇りを取り戻す作業とでも言おうか……96分の濃密な物語にも、イーストウッドが描き続ける社会の現実、その光と闇が色濃く映し出されていた。
(トム・ハンクスもさすがの名演)

ちなみに間近に迫ったアメリカ大統領選……彼は、トランプもヒラリーも支持しないとした上で、
トランプに投票すると表明したらしい。御年86歳の名匠が見つめるその心の闇も深そうだ。

10月3日(月)
「吉田拓郎LIVE 2016」を観に東京国際フォーラムへ。

長きに渡る拓郎ファンのツレのお供という感じだが、そこは同世代、私にも拓郎を好んで聴いていた時期はある。

十九、二十歳の頃、街中で頻繁に流れていた音楽と言えば、ビートルズと吉田拓郎……特に目的もなく吉祥寺の街を徘徊していた私は、レコード店やパチンコ屋から聴こえてくる拓郎の歌に、ちょっと物悲しい青春を重ねていたものだ。
当時好きだったのは『青春の詩』(♪ああそれが青春)、『ペニーレインでバーボンを』、そしてモップスも歌っていた『たどり着いたらいつも雨降り』などだが、20代半ばを過ぎたあたりから、たまに『シンシア』を口ずさむくらいで、拓郎の歌を聴くことも歌うことも、ほとんどなくなってしまった。

そんな昔を思い出しながらの「LIVE 2016」……開演は18時半。「春だったね」の熱唱から始まり、『落陽』まで一気に4曲。拓郎の若々しい張りのある声が、会場に響き渡った。
(既に70歳……こんなに声が若いとは思わなかったので、正直、驚いた)

その後、15曲目の『全部抱きしめて』まで、比較的新しい曲(かつ流行歌っぽい曲)が流れたが、あまり好みではないのでノリ切れず個人的に中弛み。(特に『朝陽がサン』というタイトルからして能天気な歌がダメ)
途中で入るMCも、ウケ狙いだろうが、モロ年寄りじみていてちっとも面白くなかった。

でも、ラスト7曲目『海を泳ぐ男』から最後のアンコール曲『人生を語らず』まで、かつて好きだった拓郎節が復活し、気分回復&集中力アップ。
20時半、すべてを歌い終わり観客に向かって深々と頭を下げる吉田拓郎に、大きな拍手を送って会場を後にした。

以下、当日のセットリスト。

01.春だったね/02.やせっぽちのブルース/03.マークⅡ/04.落陽
05.アゲイン/06.朝陽がサン/07.消えていくもの/08.唇をかみしめて
09.ジャスト・ア・RONIN/10.ぼくのあたらしい歌/11.いつでも/12.君のスピードで
13.白夜/14.旅の宿/15.全部だきしめて/16.いくつになっても happy birthday
17.海を泳ぐ男/18.僕たちはそうして生きてきた/19.流星
アンコール
20.ある雨の日の情景/21.Woo Baby/22.悲しいのは/23.人生を語らず


※4日~6日はバイト&仕事。友人がホームページ制作絡みの仕事を紹介してくれたお陰で、本業の方も俄かに慌ただしくなってきた。とりあえず16日~17日は久しぶりの出張打合せ。来週はそのための資料収集及び検討・分析等で身動き取れない感じ……(本当はバイトも休みたいのだが、シフト勤務だけに簡単に休めないのが困る)

2016/10/07

10日間のあれこれ①(呑み会)


長雨の終息とともに、長引いた風邪もようやく治まり、いよいよ秋本番……と思いきや、残暑がしつこい!(昨日の東京は30℃。直射日光の当たる駐輪場は39℃もあった)

まさか、10月に入ってTシャツ一枚で過ごすことになるとは思わなかったが、今日は朝から涼しい風が吹いている。

このまま台風の発生も収まり、スッキリ秋に入ってくれるといいのだが……

さて、10日ぶりの更新。まずはこの間の近況をサクッと。

9月30日(金)
17時半から、バイト仲間(Nさん、Oさん)との呑み会あり。

私は早番で16時上がり。時間潰しがてら、コミュニティバスで約5分の所にある銭湯へ。

「ボディマッサージ」「ジェットエステ」「絹の湯」「薬湯」など7つのテーマ浴槽に加え、「露天風呂」までついているスーパー銭湯並みの館内設備に驚きながら、軽く仕事の疲れを癒した。(料金は460円+バスタオル代200円。平日の夕方、)

で、入浴を終え、再びバスで駅にUターン。呑み会の場所は、駅近くの古い居酒屋。昭和の薫り漂う店内には懐メロが流れていた。そんな雰囲気につられて、陽水、拓郎、遠藤賢司、ビートルズ、C.C.Rなど60~70年代のフォークや洋楽の話で暫し盛り上がったが、話題の中心はやはり共通の職場である“駐輪場(の人々)”……
格好といい(常にジーンズ&サンダル。頭には赤系のバンダナ)、風貌といい(イメージ的には、毒気の抜けたキース・リチャーズ)、多くの高齢者の中でひときわ異彩を放つ存在として前から気になっていたSさんの話になった。(Sさんは一人暮らしで、日にビール10本以上は飲むという大の酒好き。いつも昼頃に自転車を止め、隣接するショッピングモール内のスーパーでビールと弁当を買って帰るのが日課。その後は夜まで、部屋でひたすら酒を飲みつづけるそうだ)

「酒で命をつないでいるような感じだけど、大丈夫かなあ。体もふらついているし……」と私が話し出したところ、頷きながら聞いていたNさんが「初めて会った時、“もうオレ死にたいんだよ”と言われてビックリしましたよ」と、聞き捨てならないことを言う。

駐輪場で働く人間に、しかも初対面でそんな心情を吐露するのは、真に孤独な人だけ。

「えっ、いきなりそんなこと言われたの?!……参るなあ、それは」「でも、本当に死にたいんだろうね…」と呟いて暫く、無言の時が流れた。
その後、職場の問題や仕事(本業)、転職(転バイト?)のことなど話したが、あまり盛り上がらないまま、午後8時過ぎお開き。それでも最後は明るく、ハイタッチで別れた。

※今日はこれから、少し遅めの墓参り。今年も辺り一面、秋桜が咲いているはず。

 

2016/09/27

風邪癒えず(&ザンクトパウリ)



喉の痛みは相変わらず。くしゃみと鼻水も止まらない。まさに風邪のど真ん中といった風情だが、昨日耳鼻科に行ったところ、この時期、アレルギー性鼻炎を発症した可能性も高いとの話。(10日間で耳鼻科&薬局へ行った回数は3回。その度に抗生剤の種類も変わった。果たして、3度目の正直となるかどうか?昨日、アレルギーの薬も加えられた)

どうやら、風邪とアレルギーがダブルで来ちゃった感じ……

先週の金曜(23日)、症状を甘く見て仕事の打上げを敢行したのも響いているのかもしれない。(場所は新宿「鼎」。メンバーは、JINちゃん、SHINODA &新婚のフェアリー。呑み会自体はとても楽しかったのだが)

お陰で、ここ数日は身体を休めている時間が長く、本も映画もとんとご無沙汰。公開されたら即、行こう!と楽しみにしていたクリント・イーストウッドの新作『ハドソン川の奇跡』も未だ鑑賞できていない。(バイトも初めて休んでしまった)

というわけで、『サッカーと愛国』(「サッカーはレイシズムとどう闘ってきたのか?」を知る上でとても貴重な一冊)の感想を長々と書いているような体力も気力もないので、本の著者であるフリーライター・清義明氏のブログから、こんな記事を紹介してお茶を濁す?ことにします。


『サッカーと愛国』の中で、私が最も興味をそそられたのが、この「人種も性別も意味をなさないオルタネイティブなクラブ」FCザンクトパウリとそのサポーターたち(FCザンクトパウリはドイツ・ブンデスリーガ2部のチーム。現在、元日本代表の快足FW宮市亮が在籍中)……サッカーファンはもちろん、サッカーファン以外の方にも、その興味深い成り立ちと、階級、人種、ジェンダー、貧困など現代のラディカルな問題に関わってきた彼らの闘いを知っていただきたいもの。ぜひご一読のほど。

2016/09/20

秋雨の候…




連日の雨。2、3日前から風邪気味で喉の調子が悪く、こっちの気分も湿りがち。(駐輪場もガラガラ。ヒマすぎて逆に疲れる)

そんな折(昨日)、友人のMIYUKIさんの写真集が宅急便で届いた。梱包を開けると内側の板紙にマジック書きのメッセージあり。《良いのが出来たぜ!! Miyuki》

全ページ「花と木と草」の写真で構成されているが、撮る人の想いと四季折々の静かな命の物語が宿るグッドな写真集。
ところどころに添えられた言葉も効いている……というのは自己満だが、写真集での初コラボ、私にとっても記念すべき嬉しい作品になった。

明けて今日は、午前中から病院をハシゴ(歯医者と耳鼻科)。
一週間前から歯茎がポコッと腫れているのが気になって診てもらったのだが、どうやら奥歯に亀裂が入り、それが伸びているのが原因らしい。
風貌も性格もちょっと変わった先生が「何だ、これ?どうなってんだ?……う~ん、あれ~? 変だぞ、どこまでいってんだ?こりゃ大ごとかもしれないなあ…」などと呟きながら治療を進めるので、口を開けたまま次第に不安が増してきたが、その割にあっさり終わり拍子抜け。(次回は神経を取り金属冠を被せるか、最悪、歯を抜くかも…とのこと。どちらにしても、患者を不安がらせずに治療を進めてほしい!)

午後は、先日読み終えた『サッカーと愛国』(路上で、スタジアムで、サッカー界のレイシズムと全力で闘ってきたフリーライター「清義明」のフィールドワークの成果をまとめた“日本初のサッカー界からの反差別の書”)の感想を書こうと思ったが、喉もイマイチすっきりしないので、後日に回すことにした。

明日はバイト。この雨は止むだろうか?


季節の変わり目。皆さま、くれぐれも、ご自愛のほど。

 

 

2016/09/16

「落ちてくる」3つの物語(映画『アスファルト』)



暇があればまず映画……という生活を何年も続けていると、映画の神様からのご褒美なのか、年に一度はこういう「感性、どストライク!」の一本に巡り合えるもの。
秀作・傑作・佳作などという評価の枠を超え、大好き度では、今年のベストワン。映画館を出る時の気分もまた格別だった。(鑑賞日9月3日、小屋はよく行く「シネ・リーブル池袋」)

さて、その映画『アスファルト』(監督・脚本サミュエル・ベンシェトリ/製作国フランス)……

フランス都市郊外の寂れた団地を舞台に、3組の男女が織りなす〈複雑であたたかい人生模様〉が、ユーモラスかつ愛おしいほどの情感を醸し出しつつ描かれる……という作品だが、まず驚かされるのが、ストーリーを牽引する3組の男女のユニークすぎる人物設定。

その①:不意の事故で車椅子生活を送るようになった中年男と、夜勤の看護師。
その②:母親に見放され一人暮らし状態を余儀なくされた少年と、うらぶれた女優。
その③:服役中の息子がいるアラブ系の中年女性と、NASAの若い宇宙飛行士。

例えば、突然団地の屋上に降り立った宇宙飛行士が、アラブ人女性の部屋でNASAからの迎えが来るまで二日間待機する……などというありえないシチュエーションに唖然としながら、その非現実的な出逢いが、言語の異なる二人の短い会話と眼差しを通じて次第にリアルな日常に思えてくる不思議。

監督サミュエル・ベンシェトリによると、6人の登場人物に共通しているのは「真に孤独であり、それぞれの事情から他人に話しかける理由を持たない人々」とのことだが、その世界共通とも言える(身近な場所に存在する)孤独と孤立が、「沈黙と眼差しの交換を通して、人と人との絆が育っていく様を視覚的に描きたかった」という優れた映像の力を受けて、それぞれの心に眠る豊かな情感を呼び覚ましながら、絶妙なバランスで幸せなおとぎ話を紛れもない現実の物語に昇華させたように思う。

ちなみに、「この作品が生まれたきっかけは?」という質問に、ベンシェトリはこう答えている。
《『アスファルト』で、私は、この手の題材を描く時に普通はお目にかかれないような登場人物たちを通して、ある種風変わりなストーリーを作りたいと思っていた。一言で言うならば「落ちてくる」3つの物語、と言えるだろう。空から、車椅子から、栄光の座から人はどんな風に“落ち”、どのように浮かび上がっていくのか。『アスファルト』製作中、この疑問がいつも頭にあった。なぜなら団地に住む人々は皆、“上る”ことに関してはエキスパートだから。子供時代を団地で過ごした私にとって、そこでの生活で感じていたあれほどまでに強い団結力に他では出会ったことがない。
たとえ月日がたち至る所に孤独と孤立が少しずつ広がって行こうとも》

というわけで、「ときに強く胸を打ち、ときにユーモラスな、非常に繊細な瞬間の連続。すべての夢想家たちに捧ぐ最高の映画!」というフランスの日刊紙「ル・パリジャン(Le Parisien)」の評価に、異議なし!と心からの賛意を示したくなる一本。
特に、市井に生きる孤独な夢想家たちにオススメしたい。(名匠「アキ・カウリスマキ」の作品が好きな人も、ぜひ!)

※この映画の登場人物の一人、際立つ存在感を放っていた“ひとり暮らしの少年シャルリ”を演じたのは、監督ベンシェトリの息子であり、名優ジャン=ルイ・トランティニャンを祖父に持つジュール・ベンシェトリ。(母親は女優の故マリー・トランティニャン)
数年後、フランス映画界を代表するスターになる予感がする。今後も注目!

 

2016/09/06

帰ってきたオバサン。



つい先日、駐輪場に“最悪のオバサン”が帰ってきた。(不正駐輪を咎めた私に罵詈雑言を浴びせながら、予想外の反撃?に遭い「こんなに理屈っぽい人、はじめてだわ」と捨て台詞を吐いて去ってから約半年ぶり)

相変わらず駐輪禁止エリアに堂々と自転車を止めていたので、駐輪ラックに入れ直し「やれやれ、また一戦交える羽目になるのか……」と腹をくくって小一時間。買物を済ませて帰ろうとするオバサンの後ろ姿が目に留まった。

すぐに近寄り、ラックから自転車を出しにくそうにしていた彼女に「〇〇さん、手伝いますよ」と声をかけたら、一瞬ビクッとしたように動きが止まり、キャップを目深にかぶった顔もあげず「ありがとうございます」と小さな声で返してきた。

で、自転車を出しながら「ルールはちゃんと守ってもらわないと、困りますね~」と言うと、「申し訳ありません」と素直に応える。
さらに続けて「次からは必ず、空いている所を探して入れてくださいね」「はい、分かりました」という拍子抜けするようなやり取りがあり、最後まで私と顏を合わせず、俯き加減に自転車を押して静かに帰って行った。

まるで人が変わったようなしおらしさ……

早速、同僚のNさんに「さっき〇〇さんに会ったけど、エラく素直でおとなしいんだよね~、どうしちゃったんだろう?」と、そのやりとりを報告すると、彼は「Yさんとの一件がかなり効いているんですよ、きっと」とニンマリ……
あのモンスターが私に反撃されたくらいで「改心」するとも思えないが、Nさんの言う通り“戦意喪失”は明らかな様子。その激変ぶりには少し驚かされたが、駐輪場の平和のためには実に良い変化と素直に喜ぶことにした。

※この間、少し頭を悩ませていたMIYUKIさんの写真集用コピー(というか戯言のようなもの)を、今日ようやく書き上げ、送信。彼女の意に適っているかどうかは分からないが、上手く料理してくれるはず。出来上がりを楽しみに待ちたい。